結びの段落では、CSRが倫理的に望ましいというだけでなく、企業経営においてきわめて重要であると指摘しています。

By responding to these various requests, companies and organizations will become stronger and be chosen by the “customer of the future.” Sustainability is the primary purpose and benefit of CSR. With this, increased employee satisfaction (ES) also results, which in turn increases customer satisfaction (CS), and is a key factor for management.

【抄訳】社会や市場のニーズに対応することによってこそ、企業は業績をのばし、「将来恩顧客」から選ばれる存在になる。サステナビリティを事業の根幹に置くことで、従業員満足(ES)が向上し、さらにそれが顧客満足(CS)向上につながる。

実際に、マーケティングの領域においても、CSRが顧客価値を高め、業績向上につながるという議論がなされています。(Trong Tuan Luu, “CSR and Customer Value Co-Creation Behavior: The Moderation Mechanism oof Servant Leadership and Relationship Marketing Orientation,” Sptinger Science+Business Media Dordrecht, 2017)

同論文では、今日CSRといった倫理に基づく価値概念は、顧客共創という点から企業活動の最先端となっていると述べられています。とくにサービスマーケティング(サービスドミナントロジック Service Dominant Logic 企業が提供する商品をサービスとして捉える理論。サービスの価値はあらかじめ決まっているのでなく企業と顧客が共創すると考える。)と社会的アイデンティティ理論(social identity theory 所属する集団をベースに自己のアイデンティティを認識すること)とのかかわりでCSRの意味が論じられています。

CSRは企業が顧客の支持を得られるかどうかに深くかかわるという点で、マーケティングのみならずマネジメントそのものにも深く関わっています。

そうした事例なども、今後の連載で適宜紹介しながら説明していきますね。

今回はここまでです。来月はChapter1, Lesson2を読みましょう。お楽しみに!

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