【連載】論考・サーキュラーエコノミー
資源循環の会議に出るとよく耳にする意見がある。プラスチックに代わる新素材の開発を急げというものだ。なるほど、プラスチックは、その元となる石油は再生不可能資源だし、使用済みになると海ごみ問題などの深刻な環境問題を引き起こす。 (細田 衛士=慶応義塾大学経済学部教授)
そんな厄介な素材は使わずに環境に優しい新しい素材を開発して使えば良いというわけだ。確かに、そのような意見には理がありそうに聞こえる。だがここはよほど注意深く物事を見て判断しないと大局を見失う恐れなしとしない。