ボトル9割回収へ、欧州の脱プラ指令とは

PETボトルを使わないよう、様々な試みが行われている。家庭では、水道に浄水システムを付けたり、活性炭を使った浄水ポットで水をろ過したりする方法があるが、ポットやカートリッジはプラスチックだ。

それを嫌う消費者が注目し始めたのがガラス瓶に水と炭を入れる方法だ。粘土を原料としたセラミック粒でも浄水できる。どちらもオーガニック専門店で買える。

もう一つは植物性ボトルの開発だ。フランスではサトウキビ、麻、オリーブの種子などから作ったボトルができた。アイスランドの学生は、空になると形が縮む寒天製のボトルを作った。ロンドンのベンチャー企業は海草で一口大の球形カプセルを作り、中に水を入れて、手で摘んで飲めるものを開発した。

ネーミングで意識を変えることも重要だ。プラゴミゼロを目指すパリ市は、水道水を「パリの水」と称してパリ市特製の水差しに入れて区役所の会議やイベントで出す。「PETボトルを持ち歩くのはかっこ悪い、パリの水を飲むのが粋」と思う人が増えれば、ゴミは減っていくだろう。

hanyu

羽生 のり子(在パリ編集委員)

1991年から在仏。早稲田大学第一文学部仏文卒。立教大学文学研究科博士課程前期終了。パリ第13大学植物療法大学免状。翻訳業を経て2000年頃から記者業を開始。専門分野は環境問題、エコロジー、食、農業、美術、文化。日本農業新聞元パリ特約通信員、聴こえの雑誌「オーディオインフォ」日本版元編集長。ドイツ発祥のルナヨガ®インストラクター兼教師養成コース担当。共著に「新型コロナ 19氏の意見」(農文協)。執筆記事一覧

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キーワード: #脱プラスチック

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