NEC(日本電気)はこのほど、ボランティアを通じて社員の成長を促進する独自プログラムを開発した。ICTの力でボランティア体験の効果を定量的に可視化させ、社内で共有する。ボランティアは企業のCSR活動の中で軽視されがちな活動だったが、社会にも企業にも貢献するエンジンとして注目を集めそうだ。(箕輪 弥生)

プログラムを開発した橋直紀さん(左)と木村昌稔さん ©高橋 慎一

「ボランティアが人を育てるのは確かだと感じたが、定量評価する手法がなかった」。こう話すのは、プログラム開発にかかわるNEC 東京オリンピック・パラリンピック推進本部エキスパートの橋直紀さんだ。

そこで同社は、法政大学大学院の石山恒貴教授に助けを求めた。石山教授は「越境学習」の研究者だ。会社員にとっての越境学習とは、業務外で得た学びを職場に還元することを指す。

普段の業務では接しない人と出会い、ともに活動するボランティアは、まさに「越境学習」と考えたのだ。このほど開発したプログラムでは、ボランティアに参加した社員がどう変化したのか、石山教授とともに定義した人材育成に効果がある29の要素から把握できるようにした。

NECグループでの実践を通して、プログラムを開発したが、実践の結果、効果測定のいずれの要素も、ボランティアに参加しなかった社員に比べて、参加した社員の得点が高かったという。

人材交流にも効果発揮

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