金融業務の真髄は「話を聴くこと」

【連載】つなぐ金融

金融機関で最も重要な業務は話を聴くこと(相談業務)ではないかと思うことがある。と言うのは、金融仲介によって社会に新たな価値(ここでの価値には、経済的な価値だけではなく、教育的な価値や芸術的な価値も含まれる)を創出するためには、支援に値する事業を金融機関自身が育成する必要があると考えるからだ。

筆者が相談業務を重視するようになったきっかけは、2015年5月にスイスで会ったロルフ・ケルラーの言葉である。ケルラーは、ドイツの社会的金融機関であるGLS銀行の創設時のメンバーの一人で、その後も長期にわたってかかわり続けた人物である。惜しくも同年12月にこの世を去ったが、彼の2011年の著作『人間のための銀行』(邦訳2014年発刊)で次の言葉を残している。

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林 公則(明治学院大学国際学部国際学科准教授)

明治学院大学国際学部国際学科准教授。2007年10月、一橋大学大学院博士課程(経済学研究科応用経済専攻)修了。専門は環境経済学と環境政策論。著書に『新・贈与論─お金との付き合い方で社会が変わる』(コモンズ)など。

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