旅に出たくなる折りたたみバイク

【連載】間違いだらけの自転車選び

パシフィック サイクルズ/バーディーGT
フォールディングバイクにして「グランドツアラー(GT)」と名付けられた1台。ドイツのシュワルベ製のブラックジャック18×1.9インチタイヤを標準装備し、未舗装路までを射程にする。折りたたみサイズは、幅75×奥行32×高さ65cmとコンパクトに。前後サスペンション、リア飲みの10段変速。油圧ディスクブレーキを装備。重量は、わずか10.3kg。価格283,800円(税込)

■注目のポイント
1 小径タイヤでも安定した走行性能
2 簡単にたためる操作性
3 守備範囲が広い走破性
お問い合わせ ファビタ パシフィックサイクルズジャパン事業部
https://pacific-cycles-japan.com/

スポーツフォールディング(折りたたみ)バイクが、また進化を遂げた。ドイツでデザインされ、世界有数の技術力を誇る台湾のパシフィックサイクルズが生産するバーディー・モノコック。軽快な走りと、瞬時にコンパクトに折りたためる利便性を備えた、代表的モデルである。

従来の自転車のように、パイプを溶接して作るフレームではなく、左右2ピースの型を貼り合わせるモノコック製法により、フレームは折りたたみ自転車とは思えないほど高い剛性を誇る。

このフレームは、前後にシンプルなサスペンション(振動吸収装置)を装備する。しかも、その部分を切り離すことで、前後輪がメインフレームに寄り添うように収納され、コンパクトに折りたためる。

軽量アルミフレーム独特の剛性感が高くシャープな走りと、サスペンションによる乗心地の良さ、強いトラクションによる登坂力は、長距離を走るツーリングにも好適だ。

そんなベースモデルの性能に加えて、少々の未舗装路でも踏破できるブロックパターンのタイヤを標準装備したのが、このグランドツアラーというモデル。

18インチという小径ホイールゆえ、マウンテンバイクのようにトレイルを自由に走れるわけではない。しかし、キャンプ場周辺の未舗装路や、河川敷のデコボコ道などに出くわした時にも遠回りせずに走り続けられる。

これまで折りたたみ自転車が苦手としてきた未舗装路ライドも楽しみに変えてくれるバーディーGT。少し長い休みを取ってキャンプ旅に出たくなる画期的な一台だ。

フレームの前後には、オプション品のラックやバッグの取り付けもできる。バイクパッキングスタイルの大容量サドルバッグを取り付け、ウルトラライトなキャンプ道具を積んで旅に出るのもよい。

フォールディングバイクを選ぶ際に重要な「走行性能」「折りたたみやすさ」「遊び方の拡張性」に加えて、「未舗装路を走れるスキル」まで身につけた夢のようなバイクだ。

今月のまとめ
1 折りたたみこそ剛性感の高さが必要
2 タイヤが変われば遊び方まで広げられる
3 キャンプ旅まで楽しめる拡張性

山本 修二(やまもと・しゅうじ)
1963年東京都生まれ。ライター。雑誌を中心に、競うことなく笑顔で楽しめる自転車ライフを提案している。著書「スポーツ自転車でまた走ろう!」(技術評論社)

雑誌オルタナ60号(2020年3月30日発売)から転載


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山本 修二(自転車ジャーナリスト)

1963年東京生まれ。ライター。雑誌を中心に、競うことなく笑顔で楽しめる自転車ライフを提案している。最新著書『スポーツ自転車でいまこそ走ろう!』(技術評論社)。

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