コロナ禍でこれまでの当たり前が当たり前でなくなることで、コミュニケーションスタイルに変化が生まれます。その変化の方向性は、多様性への対応にあります。今後、どのように対応していくべきか考えてみます。(伊藤芳浩・NPOインフォメーションギャップバスター理事長)
新型コロナウイルスの第三波の広がりが深刻になり、政府によって、一部の県を対象に緊急事態宣言が出されるなど、長期化の様相を呈してきています。
また、ニューノーマル(新しい生活様式)が徐々に広がり、これまでの当たり前が当たり前でなくなり、社会のあらゆる面で変革などが求められてきています。
例えば、これまで満員電車に揺られながら通勤していた方も、在宅勤務に転換せざるを得なくなるなど、働き方を変えたり、生活の仕方を変えたりしている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そのニューノーマルをきっかけに、これまでのやり方を見直すこともどんどん生じてきています。例えば、これまでオンライン会議ツールやオンラインセミナーなどでは、音声を出せない環境にいたり、聞き取りづらかったりするときのための字幕テロップ(映像上に表示される文字情報)はほとんどついていませんでした。しかし、コロナ禍で字幕テロップをつける人が徐々に増えてきました。
このように、多くの人がオンラインに移行して、ネットワークが輻輳(ふくそう)して、音声が聞き取りづらかったり、1人ひとりの発言が聞き取れず、何を言っていたか分からなかったりなど、不確実性が増してきたことによって、多様なコミュニケーションスタイルを備えておくことで、補完しようという潮流が生まれてきています。