そんな中で、初の地裁判決が3月17日、札幌地裁で予定されている。日本の裁判所が同性同士の結婚について判断を出すのは初めてのことで、歴史に残る出来事になると思う。気の早い私は、今から、期待半分、不安半分で楽しみにしている。皆さんも是非3月17日を覚えておいてほしい。
2021年は、秋までに衆議院の解散総選挙がある。日本でLGBTに関する法整備が今後どう進むのかを考える上で、この選挙は重要だ。投票に当たっては、各党のLGBTに関する政策に是非注目してほしい。
また、7月16日は性同一性障害の方の性別変更について定めたいわゆる「性同一性障害特例法」の施行から17年になる日だ。現在までに約1万人が性別を変更しているが、性別適合手術が求められるなど、要件が非常に厳しいことが問題である。
政府のデジタル化推進でマイナンバーカードが注目されているが、マイナンバーカードには写真、戸籍名、性別が表面に明記されている。これではトランスジェンダーは使いにくい。マイナンバーカード普及の前に、誰もが使いやすい様式になっているのか、まず見直しを行ってほしいと思う。
村木真紀:
認定NPO法人虹色ダイバーシティ代表(理事長)。社会保険労務士。茨城県生まれ、京都大学総合人間学部卒業。日系メーカー、外資系コンサルティング会社等を経て現職。当事者としての実感とコンサルタントとしての経験を活かして、LGBTに関する調査研究や社会教育を行う。著書「虹色チェンジメーカー」(小学館新書)。
虹色ダイバーシティ法人サイト(https://nijiirodiversity.jp/)
データとアクションをまとめたサイトNIJI BRIDGE(https://nijibridge.jp/)