仮想通貨でプラゴミを「貨幣」に変えた社会起業家

ブロックチェーンとは、仮想通貨を運用するための中核技術であり、分散型台帳技術またはネットワークを指す言葉だ。仮想通貨は、電子的な決済手段として次世代の金融戦略では重要な役割を担う。この機能こそ、SDGsを実践するのに適していると期待が寄せられている。

不要とされてきたものから、貨幣同様の価値を生み出すことで、さまざまなSDGsの目標達成を可能にしたプロジェクトがある。プラスチックゴミの収集を通じて、物やサービスとの交換を可能にしたのが「プラスチック・バンク」だ。

カナダ人の社会起業家デビッド・カッツ氏が2013年にサービスを開始し、80億㌧の使用済みプラスチックに価値を与えるだけでなく、貧困層に仕事を与え、生活の安定性をもたらしている。

この仕組みを支えているのが、米IBMだ。IBMブロックチェーンは、収集されたプラスチックボトルの重量に応じた仮想通貨(デジタルトークン)を発行し、生活に必要な物資に変えられるシステムを可能にした。このプロジェクトで重要な担い手として高い評価を受けたIBMは、2019年度「国連SDG アクションアワード」のコネクターカテゴリーに輝いた。

IBMはIBMブロックチェーンを利用した「IBMフードトラスト」を構築し、食品サプライチェーンの可視化を実現した

循環経済において世界で最も貧しいコミュニティーにおいて、ゴミを無くすだけでなく、そのゴミに価値を生み出す仕組みを創造する担い手となったIBM。使用済みプラスチックが集荷されてから、実際にリサイクルされるまでのプロセスを数値化し、信頼性あるデータとして、透明化することを可能にした。

フードロス削減にも貢献

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寺町 幸枝(在外ジャーナリスト協会理事)

ファッション誌のライターとしてキャリアをスタートし、米国在住10年の間に、funtrap名義でファッションビジネスを展開。同時にビジネスやサステナブルブランドなどの取材を重ね、現在は東京を拠点に、ビジネスとカルチャー全般の取材執筆活動を行う。出稿先は、Yahoo!ニュース、オルタナ 、47ニュース、SUUMO Journal他。共同通信特約記者。在外ジャーナリスト協会(Global Press)理事。執筆記事一覧

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キーワード: #社会起業家

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