「廃棄されるものをお宝にかえたかった」と話す、兵庫県芦屋市のデコレーターの中島彌生さん。昨年4月、顧客であるカフェの片隅に廃棄用として大量に積み上げられたコーヒー豆の麻袋が目に入った。試しに1袋持ち帰り、ミシンをかけてバッグにしたところ、おしゃれで実用性の高さが知人らに好評を得た。何度も試作を重ね、縫製はシルバー人材センターの熟練者にお願いし、コーヒー豆袋再生ブランド「ユリ」として完成させた。

ブラジルやグアテマラ、インドネシアなど、豆の産地によって、素材もデザインも異なる。手作りのため1点1点の風合いが違うのも売りだ。昨年9月にネット販売したところ、2カ月半で大型バッグやドアマット、エプロンなどおよそ50点が売れ、今も人気製品は入荷待ちの状態が続く。「廃棄されるはずのものを新しい形にして身近に持つという、発想が新鮮」と、ある購入者はコメントを寄せた。
「かつてはブラジルの日本人移民が命がけで作ってきた麻袋。袋の表面にマジックで書かれた数字を見るだけでも、その背後にある歴史や文化が感じられる」と話す中島さん。今後は地元の六甲山から出る間伐材や和紙の端材などを、センスのいい製品に仕上げていくアイデアもある。単なるリサイクルではなく、さらに価値や意味のあるものに生み出していくアップサイクル文化が今後のビジネスのキーワードだ。
無添加こどもグミぃ~。 https://mutenkagumi.com/
コーヒー豆袋のオリジナルブランド「ユリ」https://yuris.thebase.in/
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