農水省が描くオリパラ以降の日本農業とは

【連載】日本農業 常識と非常識の間

2018年末、2020年東京オリパラの選手村などの飲食運営を行うケータリング事業者が決まった。実は、それ以前に選手村など飲食施設で使用される食材の調達基準が決められていた。

概要はGAP管理を行っていることをベース基準とし、その上で有機農産物を推奨基準としている。こうした話題の中で、オーガニックがGAPに負けたという話が流布している。そしてGAP(GGAPやJGAP、AGAP)認証を取らないと選手村への食材供給はできないという話もある。

なぜこうした誤解が生まれるのか。そこには目的と手法への不理解がある。補助金なしには成立しない日本の農業者にとって、この問題は極めて大切だ。有機JASとGAPの関係は、勝ち負けの問題ではない。

有機JAS認証システムは公的機関(農林水産省)が行うもので、JGAP(AGAP)やGGAPは民間団体が自発的に行うものだ。有機JASは生産基準(生産の原則)の遵守を目的とした「製品認証」で農産物に認証マークを付けられる。農薬、化学肥料を使用しないなどの「生産の原則」があり、それを達成するための生産行程管理を検査し、認証する。

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tokuemichiaki

徳江 倫明(オーガニックフォーラムジャパン会長)

1951年熊本県水俣市生まれ。78年「大地を守る会」に参画、有機農産物の流通開発を行い、88年日本初の有機農産物の宅配事業「らでぃっしゅぼーや」を興す。その後オーガニックスーパー、有機認証機関の設立などを手がけ、環境と食の安全をテーマにソーシャルビジネスの企画開発に挑戦し続けている。現在は(一社)フードトラストプロジェクト代表理事、生産と販売を繋ぐ“東京産直オフィス”FTPS株式会社を運営。

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キーワード: #農業

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