「フェアトレード」の根底に流れる価値観

【連載】フェアトレードシフト

フェアトレードとはなにか?
「公正・公平な貿易」と直訳するだけで、だいたいのイメージは掴めるし、途上国の農産品などを適正な価格で取引して、貧困、人権、環境などの課題解決を目指すもの、といったおおよその理解もある程度浸透してきているように思う。

しかし、フェアトレードをフェアトレードたらしめるものは何なのか。サステナビリティの分野に知見のある人たちのあいだでも、実のところ、あまり理解されていないかもしれない。

国際的に認知されているフェアトレードの定義がある。

「フェアトレードとは、より公正な国際貿易の実現を目指す、対話・透明性・敬意の精神に根ざした貿易パートナーシップのことを言う。フェアトレードは、とりわけ南(発展途上国)の弱い立場に置かれた生産者や労働者の人々の権利を守り、彼らにより良い取引条件を提供することによって持続的な発展に寄与するものである」(和訳:日本フェアトレード・フォーラム)

これは、フェアトレードを推進する複数の国際的ネットワーク組織によって、2001年に合意された定義だ。そこから20年が経過し、もはや草の根運動の域を脱し、フェアトレードを取り巻く環境も大きく変化した。

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nakajimakaori

中島 佳織(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長)

化学原料メーカー勤務、国際協力NGOでアフリカ難民支援やフェアトレード事業への従事、日系自動車メーカーのケニア法人勤務を経て、2007年より現職。グリーン購入ネットワーク理事。共著に『ソーシャル・プロダクト・マーケティング』(産業能率大学出版部)など。

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キーワード: #フェアトレード

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