【連載】オルタナティブの風

21世紀、科学こそが、我々の心の中に、最も深い宗教的情操を育んでいくのではないだろうか。

例えば、現代の最先端科学が解き明かしつつある、この宇宙の起源。この宇宙が誕生したのは、138億年前。そこには、ただ、「量子真空」(Quantum Vacnum )と呼ばれるものが存在した。

その量子真空が、突如、ゆらぎを生じ、急激な膨張を遂げた。それが「インフレーション宇宙」と呼ばれるもの。さらに、その直後、大爆発が生じ、この宇宙が誕生した。それ が「ビッグバン宇宙」と呼ばれるもの。

そして、誕生した宇宙は、当初「光」(光子:フォトン)で満たされた。それが徐々に冷え、最初に、最も軽い元素である水素が形成された。次いで、その水素が互いに重力で引き合って集まり、何億年もかけて生まれたのが、夜空に輝く無数の星々、恒星であり、その一つ、太陽の周りに生まれた惑星がこの地球に他ならない。

これが、現代科学が明らかにしつつある宇宙誕生のプロセスである。

しかし、この理論だけでも、我々は、深淵を覗くような不思議を禁じ得ないが、実は、現代の最先端宇宙論は、この「真空から生まれた宇宙」という驚愕の考えを超え、さらに、我々の想像を遥かに超えた理論を生み出しつつある。