一歩前進、持続可能なシーフード

【連載】人と魚の明日のために

持続可能な手法で生産されたことを国際機関が認証する「海洋管理協議会(MSC)」の海のエコラベル制度。日本では欧州などに比べて、普及が極めて遅れているのだが、ここへ来て、国内でもMSCなど持続可能なシーフードの普及につながる前向きな動きが出てきた。

これらの商品が消費者の目にとまる機会が増えることで、普及拡大につながることを期待したい。若者でにぎわう東京都渋谷区原宿駅の近くに2020年9月、一軒のレストランが開店した。

乱獲や環境破壊を起こさないような手法で漁獲された「持続可能なシーフード」を中心にメニューを組み立てる日本では数少ないレストランだ。この店「シンシアブルー」は、青い魚のデザインの「海のエコラベル」が付いたMSC、MSCの養殖版の「水産養殖管理協議会(ASC)」といった国際認証を受けた水産物を使う。

そのために必要な「CoC」という認証を取得した。このほか、国際認証取得を目指した「漁業改善プロジェクト(FIP)」に参加する漁業者からの水産物、大規模な流通経路に乗らず、捨てられることも少なくない未利用魚を利用することを調達方針に掲げている。

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ida_tetsuji

井田 徹治(共同通信社編集委員兼論説委員/オルタナ論説委員)

記者(共同通信社)。1959年、東京生まれ。東京 大学文学部卒。現在、共同通信社編集委員兼論説委員。環境と開発、エネルギーな どの問題を長く取材。著書に『ウナギ 地球 環境を語る魚』(岩波新書)など。2020年8月からオルタナ論説委員。

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