「価値観と一致しない」と表明したデルタ航空

AP通信は3月31日、デルタ航空のエド・バスティアンCEOが従業員に対して、「最終的な法案は受け入れられず、デルタの価値観と一致しない」というメッセージを出したと報じた。

コカ・コーラのジェームズ・クインシーCEOも4月1日、「私たちはジョージア州の投票法案に失望し、投票へのアクセスを阻止する法案の措置に反対している」との声明を発表した。

MLBは、7月のオールスター戦とMLBドラフトの開催地を同州アトランタから変更することを決めた。ロブ・マンフレッド・コミッショナーは4月2日、次の声明を公表した。

「MLBはすべての米国人の参政権を支持し、投票への制限に反対する。私たちは誇りをもって、野球ファンやコミュニティが市民としての義務を果たし、投票プロセスに積極的に参加することを奨励している。今後も、投票への公正なアクセスを確保するための揺るぎないサポートを提供する」

米ニューヨークタイムズ紙によると、米製薬大手メルクのケネス・フレージャーCEOとアメリカン・エキスプレスのケネス・シュノールト前CEOを含む70人以上の黒人ビジネスリーダーから成るグループは3月31日、同紙に同法に反対する広告を掲載した。

2017年、前年11月の大統領選で当選したトランプ大統領が気候変動枠組み条約パリ協定からの脱退を表明したのを受け、米国企業数百社が「私たちはまだパリ協定に入っている(We Are Still In)」キャンペーンにニューヨーク州やカリフォルニア州などの自治体とともに参加した。

これまでは気候変動や人権問題で、企業が明確なメッセージを発することが多かったが、今回は民主主義の根幹に関わる問題で、企業が旗色を鮮明にしたことが注目される。

日本では政治や民主主義の在り方について企業がメッセージを出すのは、ほぼタブーの領域だ。ただ、日本企業もグローバル展開をしている以上、地域社会やNGO(非政府組織)から何らかの見解を求められた場合、答えないわけにはいかない。

日本でもジェンダーギャップやLGBTQ問題など、企業が社会における存在意義や位置づけを問われる中、今後、日本企業が発信するメッセージの在り方についても、検討の余地がありそうだ。

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