金融庁は4月7日、コーポレートガバナンス・コードの改訂に向けて実施したフォローアップ会議(座長 神田秀樹・学習院大学大学院法務研究科教授)の提言書を公開した。コーポレートガバナンス・コードは、企業が健全な意思決定を行うための原則をまとめたもので、東証の上場規則として2015年から運用されてきた。提言書では、中核人材における多様性の確保や気候変動の取り組みに対する開示情報の質と量の充実などを求めた。(オルタナS編集長=池田 真隆)

コーポレートガバナンス・コードは、金融庁と東京証券取引所が2015年から運用を開始した。企業がガバナンスを健全に行うための諸原則をまとめたもので、改訂は3年ごとに行われ、今年の6月ごろに2回目の改訂が予定されている。

東証は2022年4月に市場区分の見直しを予定しており、今回の改訂はその再編に対応したものとなる。東証には日本の株式の大半が上場しているが、最も厳しい基準である「東証一部」に、実質大企業相当ではない規模の企業でも昇格できてしまうなどの課題があった。そのため、現在の「一部」「二部」「新興市場(マザーズやジャスダックなど)」という区分けから、「プライム」「スタンダード」「グロース」に変える。

プライムが最も厳しく、その基準は東証一部以上になる。主に海外の投資家が投資の対象とする大企業のみが選ばれる予定だ。そのため、今回の改訂では、「グローバルスタンダード」をベースに議論が進められている。

7日に金融庁が公開した提言書は、学習院大学大学院法務研究科の神田秀樹教授が座長を務めた「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」での意見をまとめたものだ。

主な改訂のポイントは、「取締役会の機能発揮」「中核人材の多様化」「サステナビリティ情報の開示」などだ。特に、ESG投資は欧州や米国が盛んであり、その投資に関心が高い機関投資家にも対応するため、サステナビリティやダイバーシティについては強く改訂を求めた。

ダイバーシティについては、「管理職の多様性についての考え方と測定可能な自主目標の設定」を求め、人材育成方針・社内環境整備方針をその実施状況とあわせて公表することとした。

サステナビリティについては、プライム市場上場企業に対しては、TCFD (気候関連財務情報開示タスクフォース)か、同等の国際的枠組みに基づく気候変動に対する取り組みの情報開示を求めた。

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