359の自治体が「2050年までにCO2ゼロ」宣言

【連載】ALTキーワード

今回紹介するキーワード:ゼロカーボンシティ

全国の地方自治体の間で「ゼロカーボンシティ」の宣言が相次いでいる。ゼロカーボンシティとは、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを宣言した地方自治体のことだ。自治体の首長が記者会見、議会、ニュースリリース、ウェブを通じてその旨を公言したことを意味する。(新語ウォッチャー=もり ひろし)

宣言が増えたのは2019年以降のことだ。小泉進次郎環境相が各自治体に対して宣言の呼びかけを行い、呼応する動きが広まった。

2021年4月7日時点における参加自治体数は359。宣言自治体の住民総人口はすでに1億を超えた。同2月5日には有志の自治体が参加するゼロカーボン市区町村協議会(会長・林文子横浜市長)も発足。政策研究や国への提言を行うとしている。

なお国はパリ協定(世界の平均気温上昇を2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする)を踏まえ、2020年10月に「2050年までのカーボンニュートラルの実現」を宣言。

これに続き、2021年3月2日には温暖化対策推進法の改正案を閣議決定した。改正案では基本理念で2050年目標を明文化するほか、自治体の施策を支援する項目も盛り込む予定だ。

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もり ひろし(新語ウォッチャー)

新語ウォッチャー。国語辞典の新項目執筆を中心に活動。代表的な連載に「現代用語の基礎知識」の流行観測欄(2010年版~)など。執筆記事一覧

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キーワード: #脱炭素

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