■今さら聞けないサステナビリティ重要単語:サステナブル投資

「サステナブル投資」とは、年金基金・金融機関・個人などの投資家が、投資対象企業が行う環境問題、倫理的課題の解決など持続可能(サステナブル)な取り組みを評価基準の一部にする投資手法です。(山口 勉)

限られた環境資源の有効活用に配慮したり、不平等な労働格差の是正などに取り組んだりしながら経済的にも持続的な発展を目指すという考え方です。

以前は企業の社会的責任の観点から、「社会的責任投資」(SRI)と呼ばれていましたが、2000年ごろからサステナビリティ(持続可能性)が世界的な優先課題となり「サステナブル投資」と呼ばれるようになりました。

SRIは1920年代に、ギャンブル・武器・酒・たばこ関連など社会的に望ましくないとする事業を行う企業を投資対象から除く、米国のキリスト教会系資金によるネガティブ・スクリーニングから始まりました。

2000年前後には、企業の良い面を評価するポジティブ・スクリーニング手法が広まり、この時期に始まった責任投資指数もこの考えに基づいています。

温室効果ガス(GHG)の排出量が大きい石炭や石炭火力発電関連企業の保有株式を売却するダイベストメントの動きも世界的に広がっています。

日本のサステナブル投資が本格化

2006年には国連環境計画・金融イニシアティブと国連グローバルコンパクトが世界の年金基金や機関投資家などと連携して、国連責任投資原則(PRI)を発足しました。

PRIは投資の分析と意思決定で環境・社会・ガバナンス(ESG)も考慮する投資手法を広める取り組みです。

日本は欧州などと比べてサステナブル投資やESGで大きく出遅れましたが、金融庁が2014年に機関投資家が取り組む「『責任ある機関投資家』の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》」を、また2015年に企業が取り組む「コーポレートガバナンスコード」を策定しました。

さらに同年9月にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がPRIに署名し、その資金を運用する受託機関に対してESGの重視を働き掛けたことで様変わりしました。

NPO法人社会的責任投資フォーラムが2019年後半に行ったアンケート調査では、日本のサステナフブル投資は約336兆円となっており、対前年比で45%の伸びを示しています。