株式会社オルタナは5月19日に「サステナビリティ部員塾」17期第2回目をオンラインで開催しました。当日の模様は下記の通りです。なお次回(17期第3回=2021年6月16日)もオンライン形式で開催します。17期のカリキュラムはこちら

①3級教科書ポイント解説(1~4章)

時間: 10:30~12:00
講師: 森 摂(株式会社オルタナ 代表取締役 オルタナ編集長)

「サステナビリティ/CSR活動は4領域、一部だけ取り組めばよいのではなく全般的な対応が重要です。CSRを学ぶにあたっては、まず『コンプライアンス』の定義や意識の違いを理解するのが良いです」

「法律(ハードロー)の遵守だけでなく、ソフトロー(法的拘束力のない社会的規範)への対応が不可欠です。これはいわば社会からの要請で、対応により社会的な立ち位置や顧客づくり、企業価値にも関わってきます。脱炭素や人権などさまざまな要素が含まれ、領域は年々広がっています」

「サステナビリティ初任者に大切な言葉として『ステークホルダー』があります。40年ほど前に生まれた言葉で、日本語では『利害関係者』と訳します。具体的には株主から顧客、消費者、取引先、行政機関などからNGO/NPOまで幅広いです」

「いま生きている人間だけでなく、動植物や生態系、未来世代など、『声なきステークホルダー』という存在もあります」

授業ではこのほか用語の説明として、国連グローバルコンパクト(4分野、10原則)、ISO26000(7つの原則、7つの中核主題)などのほか、人権問題を放置することは社会的な存在意義を危うくするリスクなどにも触れました。

②事例研究1「海洋プラスチックごみ問題」

時間: 13:15~14:45
講師: マクティア・マリコ氏(一般社団法人Social Innovation Japan 共同創設者・代表理事)

「海洋プラスチックごみ問題は深刻で、国連では2050年にはプラスチックゴミの量が、魚の量を超えると予測しています。環境問題はもちろん気候変動、人権への問題も深刻です」

「欧州はプラスチック問題への取り組みが進み、フランスでは使い捨てプラスチックを減らす法律が施行されるほか、イギリスではスーパーで野菜や果物の裸売りが始まりました。日本では、ライフスタイルの変容を後押ししようと、新たな法案が審議中です」(「プラスチックにかかる資源循環の促進等に関する法律案」)

「『mymizu』はアプリでプラットフォームを提供し、世界で20万以上のスポットが登録しています。節減できたペットボトルを可視化できるなど、達成感や楽しさも感じてもらえます」

「3.5%の人が社会的運動を起こせば社会改革できるという研究があります。行動を変える人を増やしたいですが日本の3.5%は約450万人と、それなりに大きな数字です。賛同する消費者を増やす活動として、さまざまな企業とのコラボを進めています」

③WS(SDGsアウトサイドイン①)

時間: 15:00~16:30
講師: 森 摂(株式会社オルタナ 代表取締役 オルタナ編集長)

「アウトサイドインはSDGsの正式用語で、「未来の顧客は(市場ではなく)社会の中にいる」という考え方です。従来の『マーケットイン』のベクトルを延ばすと、顧客の後ろにある社会からの要請が見えてきます」「社会からのニーズをビジネスにする視点が、社会課題解決型のビジネスになります」

ワークショップ(1)では、グループごとの「パイロット企業」を例にとり、アウトサイドイン観点で見たときに、SDGsのどの領域で新たなビジネスを作っていけるかを検討しました。

④企業事例2:トヨタ自動車「トヨタのサステナビリティ」

時間: 16:45~18:15
講師: 大塚 友美氏(トヨタ自動車株式会社 Deputy Chief Sustainability Officer)

「昨年、トヨタ自動車はコーン(道路やレースのコースに置く円錐型の用品)の形を模した、トランスフォーメーションの羅針盤となるトヨタフィロソフィーをまとめました。幸せの『量産』という言葉は、少しでも多くの方に届けたいという思いで使っています。トヨタの『可動性』も、社会のために活かしたいです」

「トヨタの祖業は自動織機で、元々はお母さんを楽にしたいと織機を発明しました。みんなが活躍できるよう仕事の無駄をなくそうと取り組んでいます。これがトヨタのトランスフォーメーションでありSDGsに貢献することです」

「車の開発は長期スパンの仕事を想定しがちですが、今は、パーフェクトでなくてもいいから、社会の変化に応じて役に立てるものを出せるよう変化しつつあります」

「CO2の削減にはライフサイクル全体で取り組んできました。1.5℃目標の議論のでは『EVに取り組まないことは悪』といった風潮もありますが、再エネが入手しづらい地域もあり、状況に応じて最適解を選べるよう全方位で取り組みたいです」

「お客様やサプライヤー、販売店ばかりでなく、幅広いステークホルダーに理解いただけるようコミュニケーションしていきます」