バイオマス発電の企画を行うサイエンスシード(東京・中央)は、独自開発した技術で、バイオガスの発酵効率を向上させた。同社は熊本県立大学と、高温可溶化菌を使用しメタンガス量を増やす技術を実用化。この技術により、メタンガスの発生量を3割増やすことに成功した。(オルタナS編集長=池田 真隆)

バイオガス発電の仕組み。クリックすると画像が拡大します

同社では、高温可溶化によるメタンガス効率を向上させるために、前処理施設でバイオガス発電に使う原料(食品残渣)を微粉砕し、分解しやすい状態にする。一般的に粉砕後のサイズは1cm程度だが、同社ではミクロン単位までの粉砕が可能だ。

同社のもう一つの特徴が、排水処理設備にある。バイオガスプラントでは発酵したバイオガスの「残渣」として消化液が発生する。この消化液は、高濃度で分解が難しく、バイオガスプラントの課題の一つだった。同社は蒸発式技術(エバポレーター式ピュアウォータ)を導入し、一般河川への直接放流を可能にした。

サイエンスシード社の独自開発技術

同社は2015年に創業。中島晋也社長が、熊本県立大学大学院で環境共生学を学び、その後、起業した。バイオガス発電の計画や機器選定や調達業務を行う。バイオガス発電は食品残渣を原料にするので、「食品ロスの削減」と「二酸化炭素の排出量の削減」を同時に解決できるのが強みだ。

一方で、普及への障害もある。食品廃棄物や家畜糞尿を扱うため悪臭などにより、地域住民からの理解を得られなかったり、排水による環境汚染という問題もある。そこで、サイエンスシードでは、これらの課題を解決する形でバイオガス発電の企画を行う。

同社の特徴は3つある。一つ目は、施設の近くにある食品工場と契約を結び、その工場から出る食品残渣を原料に取り扱う。これにより収集運搬に掛かる二酸化炭素の排出を減らした。

二つ目は、環境への配慮だ。独自の排水処理設備により、河川にも直接放流して問題ない排水機能を持つ。これにより、地域住民からの理解を得られやすくしている。