11月1から12日、英・グラスゴーで国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が開かれる。企業が脱炭素化を目指す上で、今回のCOPで話し合われる内容は重要な意味を持つ。主要アジェンダを紹介する。(オルタナS編集長=池田 真隆)

COPではネット・ゼロを目指して気候変動対策を話し合う

「すべての道はCOP26に通じていた」――。こう話すのは、IGES(地球環境戦略研究機関)の田村堅太郎・上席研究員だ。昨年末の気候野心サミットを皮切りに、今年は環境関連の国際会議などが相次いだ。

4月には日本が2030年までに46%削減を発表した気候リーダーズサミット(バイデン大統領主催)、6月には、1.5℃目標とネット・ゼロ(温室効果ガスの排出量と吸収量の相殺)にコミットしたG7首脳級会合を開いた。

8月には地球温暖化は人間の活動による影響が大きいと断言したIPCCの第6次報告書、そして、直近の10月5日には地球温暖化について研究するプリンストン大学上級研究員の真鍋淑郎博士がノーベル物理学賞を受賞した。

気候変動の重要性が高まるなかで開く今年のCOP26は、削減目標の野心的な引き上げプロセスの第一歩目と位置付けた。

パリ協定を批准した国には、削減目標(NDC)を国連気候変動枠組条約事務局に提出することを義務付けたが、その目標については5年ごとに更新する必要がある。パリ協定は2015年に採択されたので、2020年が更新年だ。

COP26は本来、更新年である2020年に開かれる予定だったが、新型コロナの世界的な流行で今年11月に延期されたのだ。つまり、今回のCOP26は各国が更新した目標を掲げ、会議に挑む最初の会議となる。

G20で野心的に引き上げたNDCを国連に提出したのは9カ国。1990年比40%削減から55%以上に引き上げたEU、2005年比30%から40~45%に引き上げたカナダ、その他、英国、米国、南アフリカなどだ。

日本は2015年に提出した、「2030年度に26%削減」からNDCは更新していない。菅首相(当時)は2021年4月にバイデン大統領が主催した気候リーダーズサミットで「2030年までに46%削減」を発表し、日本政府の目標を野心的に引き上げた訳だが、まだ更新版のNDCとして国連に提出はしていない。

これについて環境省幹部は、「目標をどう実現するのか調整に難航している」と話す。中国と韓国も日本と同じく、目標は引き上げたがNDCとして提出できていない。

オーストラリアやブラジル、インドネシア、ロシア、メキシコの5カ国は2015年に提出した目標と同レベルのNDCを提出済みだ。インド、サウジアラビア、トルコは、2030年目標の更新については発表していない。

自動車や船舶など脱炭素化が困難なセクターへの支援策は