■NPO選びで間違えないためには(2)■
SDGs(持続可能な開発目標)の目標17では、あらゆる人たちが協力するパートナーシップを充実させることが掲げられている。その1つの選択肢としてNPOとの協働がある。NPOは行政や企業の手が届きづらい部分に対し、現場の最前線で活動を行っている組織である。しかし、パートナーとしてNPOを見つける上で、どの媒体からどんな情報を見ればいいのか?今では当たり前に活用されている団体のウェブサイトや行政で公開されている情報を見ていく。(非営利組織評価センター・浦邉智紀)
※以下、NPOは法人格に依らず非営利組織全般の団体を指す。
NPOはどんな情報を公開している?
例えば、NPOの中でも特定非営利活動法人という法人格を持つ団体の場合、「市民によるチェック」機能が働き、自ら情報を公開することが求められている。
団体のウェブサイトでは、活動に関する進捗の情報はもちろん、団体概要となる情報が公開されている。
この団体概要は、定款、役員名簿、事業報告書、その他活動の状況に関する情報を公開していることが一般的である。こちらは内閣府が運営する「NPO法人ポータルサイト」でも情報を公開している。
これは、特定非営利活動法人に関する法令で定められている必要最低限の公開情報である。
団体にとって重要な上記の事項は、企業でいう株主総会に位置する社員総会において審議を経てから、情報を公開する流れとなっている。
NPOは情報の更新頻度を見よう
NPOは、「事業の目的」を持って活動している。団体は、その目的に賛同してくれるボランティアを集める、寄付を集めるといった活動への参加を促すために、情報発信を行っている。
私たちがNPOについて知ろうとするときは、どんな情報を調べるだろうか。知りたい情報はそれぞれかもしれないが、共通して言えることは、定期的に情報発信を行っているかどうかである。
いくら事業の目的に賛同していても、ウェブサイトのお知らせの更新がここ1ヶ月もない団体、イベントの開催告知が3ヶ月も前の情報が掲載されている団体は、託した寄付を本当に活用してくれるだろうかという疑問を抱くことだろう。
公開されている情報の中身も大事だが、情報の更新頻度は、情報を広く届けるという組織の姿勢を表している。
ウェブサイトでの情報発信は一つの方法に過ぎないが、「情報の更新頻度」は、団体の活動実態を表す判断材料として、一つの参考にしてほしい。
こんなメディアからNPOの情報を見られる!
団体のウェブサイトでは、団体が届けたい情報しかない場合がある。しかし、第三者が情報を公開しているポータルサイトや団体情報データベースがNPOにはある。
いくつもある媒体において情報を発信している団体は、積極的に情報を開示している団体ではないだろうか。
【法人格のあるNPOから任意団体まで調べる】
・CANPAN(運営:日本財団)
【興味のある活動分野から調べる】
・活動分野から探す NPO法人ポータルサイト(運営:内閣府)
・事業の種類 公益法人等の検索(運営:内閣府)
・事業分野を選択 国際協力NGOダイレクトリー(運営:国際協力NGOセンター)
・活動分野 ベーシックガバナンスチェック(運営:非営利組織評価センター)
【寄付金控除がある公益社団/財団法人、認定特定非営利活動法人を調べる】
・寄附金の税額控除の対象となる公益法人 公益法人information(運営:内閣府)
・認定特定非営利活動法人(PST要件) 内閣府NPO(運営:内閣府)
【NPOの中でも「社会福祉法人」を調べる】
・WAM NET(運営:福祉医療機構)
【第三者から評価を得ている団体を調べる】
・グッドガバナンス認証(運営:非営利組織評価センター)
・社会的認証システム 第三者認証(運営:社会的認証開発推進機構)
【その他の調べ方】
・セルフアカウンタビリティチェック(運営:国際協力NGOセンター)
・認定NPO法人データベース(運営:コングラント)
・NPO見える化ナビ(運営:国際開発センター)
・環境NGO・NPO総覧オンラインデータベース(運営:環境再生保全機構)