SMBC グループは8月31日、「SMBCグループTCFDレポート2021」を発行した。「パリ協定の目標に沿い2050年までに投融資ポートフォリオ全体でネットゼロを実現することをコミット」した。(オルタナ総研フェロー=室井 孝之)

SMBCが発行したTCFDレポート2021

同グループは2017年12月の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同表明、2019年グローバル金融機関として初めて気候変動リスクの財務的影響を試算・開示、2021年5月気候変動対策ロードマップ及びアクションプラン策定と積極的な気候変動対応を実施している。

TCFDレポート2021で追加した開示事項のポイントは以下の通り。

1:温室効果ガス排出量ネットゼロへのコミットメント
「パリ協定の目標に沿って、2050年までに投融資ポートフォリオ全体での GHG 排出量のネットゼロを実現すること」を新たにコミットした。これにより、自らのGHG 排出量に加え、2050年までに投融資ポートフォリオ全体でのGHG 排出量についても、ネットゼロの実現をコミットすることになった。

2:ガバナンス体制の高度化
2021年4月、グループ CSuO(Chief Sustainability Officer)を設置し、2021年7月、取締役会の内部委員会としてサステナビリティ委員会を設置した。加えて、役員報酬体系にESGへの取組に対する評価を取り入れている旨の記載を追加した。

3:気候変動シナリオ分析の高度化
グループ中核企業の三井住友銀行において、物理的リスク・移行リスクに関するシナリオ分析を実施しており、想定されるリスク量を算定している。本レポートは物理的リスクにおいては、AI 分析を活用しつつ分析対象地域を国内からグローバルへ 拡大し、移行リスクにおいては 1.5℃シナリオへの見直しを行った。

4:投融資ポートフォリオの GHG 排出量算定
GHG 排出量の大きい業種における投融資ポートフォリオのGHG排出量算定を実施している。2050 年におけるネットゼロ達成に向けて、各セクターにおけるGHG排出量の目標設定、およびその削減が重要となるなか、三井住友銀行における電力、石油・ ガスセクターを対象として算定を開始している。

ファーストステップとして、三井住友銀行のコーポレートファイナンス及びプロジェクトファイナンスを対象とした、電力セクターにおける投融資ポートフォリオの炭素強度1に関する算定プロセスと現時点での試算結果を記載している。

コーポレートファイナンスを含めたセクター別の算定プロセスおよび結果の開示は邦銀初の取組である。