非営利組織評価センター(JCNE、東京・港)は11月19日、事業報告会を開き、5年間の「NPOの組織評価」の実績について発表した。JCNEは、社会課題解決の担い手であるNPOの信頼性を高めるため、非営利組織のガバナンス評価を行っている。アマゾンジャパンは、Amazon「ほしいもの」リストを使って、NPOへの物資支援を行っているが、参加団体の審査時に、JCNEの評価システムを参考にしているという。(オルタナ副編集長=吉田広子)

日本にも10万以上の非営利組織

日本で特定非営利活動(NPO)法人として認証を受けたNPOの数は、2021年2月現在で5万991団体に上り、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、社会福祉法人を含めると、10万以上の非営利組織が存在する。

だが、日本では非営利組織への信頼度は依然として低いままだ。そうしたなか、JCNEは「ベーシックガバナンスチェック制度」と「グッドガバナンス認証」を立ち上げ、組織の信頼性を「見える化」することで、企業をはじめ支援者とのパートナーシップ(協働)を推し進めることを目指す。

「ベーシックガバナンスチェック制度」は、23項目に基づく簡易的な組織評価で、法令・定款に基づいた基本的なガバナンスが適切に行われているかどうかを評価する。これまでに500団体近くの評価を実施した。

「グッドガバナンス認証」は、外部機関の第三者が、組織のマネジメント力やリスク管理、コンプライアンス、財務と会計などをアドバンス基準で評価する。43団体が認証を取得した。

事業報告会では、こうしたガバナンス評価を通じて、運営体制の改善や業務の「見える化」、中長期的な計画の策定につながった事例が共有された。

必要な支援を直接届ける

こうしたガバナンス評価は、企業などが支援するNPOを選ぶ際の指標にもなる。

心身に障がいのある人々の「自立」と「社会参加」を支援するヤマト福祉財団(東京・中央)は、助成プログラムでJCNEのガバナンス評価制度を参考にしているという。

同財団の早川雅人氏は「以前はNPOがどのような活動しているのか確認する手段がなかった。公開されている情報も古いことが多く、どのようにNPOを評価すべきか判断が難しかった。そうしたなかで、JCNEのガバナンス評価は1つの目安になる。これからもっとNPOが活躍できる社会になってほしい」と期待を語った。

アマゾンジャパンは2020年11月から、非営利組織支援として、Amazon「みんなで応援」プログラムを実施している。子ども食堂やシェルターなど、物資の支援を必要としている団体を、Amazon.co.jpを通じてサポートできるプログラムだ。それぞれの支援先が作成した「ほしい物リスト」から商品を購入するだけで、物資を直接届けることができる。

Amazon「みんなで応援」プログラム。サイトには支援を必要としてる団体の情報が掲載されている

参加団体は500、寄付された物品の数は6万点以上に上る。生活用品や子ども用書籍、事務用品などの需要が多いという。

「寄付金が何に使われるか分かりにくい、心配だ」という声もあるなかで、Amazon「みんなで応援」プログラムは、必要とされる物資を直接届けられるという分かりやすさがある。

参加団体については、通常アマゾンジャパンと協力会社が審査を行うが、すでに「グッドガバナンス認証」を取得している場合は、審査が免除される。現在、43の認証取得団体のうち16団体が登録している。

アマゾンジャパンの片山純平氏は「ストレートに団体に必要なものを送れるのがメリットで、寄付者にとって分かりやすい仕組み。どんなものが寄付されやすいのか、どんなニーズが多いのか、知見を共有するなど、より多くの方にとって有用なプログラムにしていきたい。信念を持って活動するNPOの活動を後押しできるような協働ができれば」と話した。