その年に日本で販売される新型車の日本一を決める「カーオブ・ザ・イヤー」のイベントが開催された。今年は29台の内外の新型車がノミネートされ、まず60名の選考委員による投票によって、10台のファイナリストが決定した。(清水 和夫・モータージャーナリスト)

そして、千葉県の袖ヶ浦サーキットに集まったファイナリストを選考員が試乗し、イヤーカーを投票する。本賞以外にもいくつかの特別賞が用意され、その新型車の技術やデザインに注目が集まる。今年のファイナリストの顔ぶれを紹介すると:
トヨタMIRAI(水素燃料電池車)/トヨタグランドクルーザー(ガソリンとディーゼル)/トヨタGR86とSUBARUBRZ(兄弟車・ガソリン)/日産ノート(シリーズハイブリット)/ホンダヴァゼル(シリーズハイブリット+)/三菱自動車アウトランダー(プラグイン・ハイブリットPHEV)/メルセデス・ベンツCクラス(48Vガソリン&ディーゼル)/BMW4シリーズ(ガソリン)/VWゴルフ8(48Vガソリン)/GMコルベット(ガソリン)■軽カー部門/スズキワゴンR/ホンダN1
こうして合計で13モデルの新型車がサーキットに集結したが、その勇姿は圧巻だった。軽カーから1千万以上のスーパーカーまで一望できるのは、このイベントだけである。しかし、選考委員を苦しめたのは、過去に例がないほどの激戦で、どのクルマも個性的で魅力に溢れていたので、配点は悩ましかった。
その理由は自動車がCASE革命で多様化したからでないだろうか。特に日本の電動化は先進的で多様性を持っている。ざっとパワートレーンを見てみると、ディーゼルは2モデルに搭載される(ランクルとメルセデスCクラス)、水素を燃料とする燃料電池車MIRAI、HEVはPHEVとシリーズハイブリット。
また、48Vのサブ電源を使う二台のドイツ車(VWとメルセデス)や500馬力以上のパフォーマンスを誇るGMコルベットやBMW4シリーズ(M4)。GR86とSUBARUBRZは兄弟車だが、エンジンは新開発の2.4リッター水平対抗エンジン。軽カーではホンダN1にMT(マニュアル)が装備されている。
CO2減にBEVやFCVでは不十分