新しいエコビジネスに知恵を貸そう

■小林光のエコめがね(14)■

大丸有地区(千代田区の大手町、丸の内、有楽町界隈)に、働く人々の環境寄合所みたいなものがある。場所は、皇居のお濠端の大手門タワー・ENEOSビル1階にある3×3Lab Future(さんさんラボ フューチャー)。ここを拠点に様々な活動を行っているのがエコッツェリア協会である。

この界隈に事務所を置く企業が会員になっているほか、個人の会員も多数いる。3×3Lab Futureは会社でも自宅でもない第三の居場所、サード・プレイスで、異業種、異担当の人が巡り会って新しい関係性を生み、そして新たなビジネス創出や既存事業の刷新につながることが期待されている。多様性が価値を生むことを狙った、都市ならではの仕掛けである。

この場所で、論者は、2011年以来、CSV経営サロンという勉強会を開き、その座長を務めている。いわゆるCSVビジネス、すなわち、公益実現に役立ちつつ企業利益も確保することを目指すビジネスに関し、これまではその成功例について、当事者から苦労話や成功の秘訣を語っていただき、参加者でディスカッションしてきた。

しかし、2021年度に関しては方針を少し変えた。まだ存在しない、生まれかけのビジネスを取り上げ、直面する問題点をはじめ、その生みの苦労を聞くこととした。

2021年度第一回CSV経営サロンの様子
hikaru

小林 光(東大先端科学技術研究センター研究顧問)

1949年、東京生まれ。73年、慶應義塾大学経済学部を卒業し、環境庁入庁。環境管理局長、地球環境局長、事務次官を歴任し、2011年退官。以降、慶應SFCや東大駒場、米国ノースセントラル・カレッジなどで教鞭を執る。社会人として、東大都市工学科修了、工学博士。上場企業の社外取締役やエコ賃貸施主として経営にも携わる

執筆記事一覧

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..