欧州の航空会社を中心に、ロシア上空の飛行を避ける動きが広がっている。また欧州の多くの国が、ロシア航空機によるEU領空の飛行を禁止した。ロイターや英BBCなど複数のメディアが報じた。日本と欧州をつなぐ路線もほぼ例外なくロシア領空を飛行するため影響が大きい。コロナ禍による渡航制限で大きな打撃を受けている航空業界だが、今回のウクライナ侵攻により、新たな対応に追われる。(オルタナ副編集長=山口勉)

ロシア・シベリア上空(写真:山口勉)

KLMオランダ航空は2月12日、ウクライナへの運航を休止すると発表し、ウクライナ上空の飛行も停止した。エールフランスも2月21日に、ウクライナへの運航を停止し、27日からはロシア領空の飛行も停止した。

フィンランドのティモ・ハラッカ運輸通信相は27日、ロシアと長い陸上国境を共有するフィンランドが同様の閉鎖を準備している、とツイートした。フィンランドは過去にロシアと領土紛争の歴史があり、緊張が高まっているという。

フィンエアーは2月28日から3月6日まで、ロシア領空を飛行する便を全てキャンセルすると発表した。ロシア領空を迂回すると飛行時間が長くなるため、アジア便を運航することは経済的にも難しくなる。

ロシアへの対抗措置では、EUの領空を閉鎖する動きも広がっている。スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークの北欧各国は27日、ロシア機に対して領空の飛行を禁止すると発表した。イタリアも同日、ロシア機に対し領空閉鎖を行うと伝えた。ドイツも市民に対しロシアへの渡航を控えるよう呼びかけており、同様の準備を進めている。

アイスランドのトルディス・コルブルン・ギルファドティル外相も27日、SNSで「アイスランドもロシアの航空便に対し、領空閉鎖を決定した」と述べた。

スウェーデンのハンス・ダールグレンEU担当相は公共ラジオ「SR」に、「ロシアを孤立させるために、さらなる措置を進めることが今、絶対に必要だ」と語った。

英国、ポーランド、ブルガリア、チェコ、ルーマニアでも同様に、ロシア機に対する領空閉鎖を実施した。バルト三国のリトアニア、ラトビア、エストニアも同様の措置を講じた。

28日には、ギリシャもロシアへの領空閉鎖を実施した。人道支援や緊急のフライト以外を、今後3ヶ月間禁止する。

輸送世界大手の米UPSやFedExは、ロシアへの貨物輸送を停止すると発表した。ドイツポストも当面ウクライナへの輸送を見送る。

EU当局者によると、EU全域でのロシア便の運航禁止は、この後EUの外相が話し合う予定の新たな対モスクワ制裁措置の一部となる可能性があるという。

ダールグレン氏は、「このような禁止措置は、モスクワに圧力をかける最も効率的な方法だ」と力を込めた。

航空業界の試練が続く。