ウクライナ難民36万人超を日本はどう支援できるか

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、2月27日時点でウクライナから国外に脱出した難民が36万8000人以上発生したと発表した。ウクライナ政府は、このまま戦闘が拡大すれば、その数は450万人を超えると推計している。日本からどのように支援できるのか。(オルタナ副編集長=吉田広子)

キャプション=ウクライナと接するパランカの国境地点の臨時難民センターに避難しているウクライナの家族(モルドバ、2022年2月26撮影)(C)UNICEF_UN0598149_Velixar
ウクライナと接するパランカの国境地点の臨時難民センターに避難しているウクライナの家族(モルドバ、2022年2月26撮影)(C)UNICEF_UN0598149_Velixar

松野博一官房長官は2月28日の記者会見で、ウクライナから逃れてきた人や、ウクライナ侵攻に反対し迫害の恐れがあるロシア人に対し、「難民条約で難民と認められなくても、人道上の配慮が必要と認められる者については、在留を認める」との方針を示した。

在留期限が切れたウクライナ人に関しても、同様の措置を取り、「個々の事情を考慮し、適切に判断していく」とした。

これまで日本の難民認定は極端に少なかった。2019年は1万375人の難民申請に対して認定されたのは44人(0.4%)、2020年は難民申請者3936人に対して、認定されたのは47人(1.2%)にとどまる。今回のウクライナ戦争を受けて、難民への理解や受け入れが進む可能性もある。

ウクライナから逃れ、難民・避難民となった人たちを日本からどのように支援できるのか。支援を呼び掛けている寄付プロジェクトを紹介する。

●在日ウクライナ大使館
在日ウクライナ大使館が寄付専用の銀行口座を開設した。在日ウクライナ大使館が寄付専用の銀行口座を開設し、twitterで支援を呼び掛けている。

(寄付専用銀行口座)
三菱UFJ 銀行 広尾支店 047 普通 口座番号0972597 エンバシーオブウクライナ

詳しくは⇒ https://twitter.com/UKRinJPN/status/1497100158693416961?s=20&t=aZ6TduElqlSV92kfpY1hMw

●ウクライナの難民・避難民に対する人道支援/国連UNHCR協会(東京・港)
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は国連の難民支援機関で、国連UNHCR協会は日本の公式支援窓口として広報・募金活動を行っている。寄付金は、ウクライナおよびヨーロッパ地域での救援活動に充当する。

寄付金の受け付けは⇒ https://www.japanforunhcr.org/campaign/ukraine

●ウクライナの子どもたちを支援/日本ユニセフ協会(東京・港)
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関。公益財団法人日本ユニセフ協会は、ユニセフ国内委員会の一つで、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言を担う。寄付金は、水や電気を絶たれたり教育の機会を奪われたり、避難を余儀なくされるなど、紛争による直接的・間接的な影響を受ける子どもたちをはじめ、最も支援を必要としている子どもたちとその家族などの支援に当てられる。

寄付金の受け付けは⇒ https://www2.unicef.or.jp/webapp/controller/bokin/onetime_input.php?type=3&source=810008

●ウクライナ周辺地域での緊急人道支援/特定非営利活動法人ADRA Japan(東京・渋谷)
国際NGOのADRA(アドラ)は、世界約120国に支部を持つ世界最大規模の国際NGOで、ADRA Japanはその日本法人。アドラは、1993年からウクライナ国内で人道支援に取り組んできた。現在、ポーランドやハンガリー、スロベニアなどのアドラネットワークと連携し、難民として国外に逃れた人々の支援を迅速にスタートできるように準備を進めている。

寄付金の受け付けは⇒ https://donation.yahoo.co.jp/detail/5186015/

●ウクライナ難民を支援するための緊急募金/AAR Japan(難民を助ける会、東京・品川)
AAR Japan(難民を助ける会)は1979年、インドシナ難民支援を目的に日本で発足し、現在は世界14カ国で活動している。AARはウクライナ難民への緊急支援のために、東欧地域を中心に情報収集を進め、現地協力団体と連携するなどの形で人道支援活動を開始する予定。

寄付金の受け付けは⇒ https://aarjapan.gr.jp/news/4537/

●日本に逃れてきた難民を支援/認定NPO法人難民支援協会(JAR、東京・千代田)
難民支援協会は、日本で生活している難民への生活支援や法的アドバイス、政策提言などを行う。日本では、ほとんどの人が難民として認定されないため、最低限の生活も保障されず過酷な生活を送っている。ウクライナ難民に対する特定のプロジェクトはないが、日本に逃れてきた難民全般の支援につながる。

寄付金の受け付けは⇒ https://www.refugee.or.jp/support/

yoshida

吉田 広子(オルタナ副編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。執筆記事一覧

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