■ニック木村の「今さら聞けないサステナビリティ」(19)
「SDGs」「ESG」「CSR」。サステナビリティを取り巻く状況は日々変化し、新たな用語も増えた。そもそもサステナビリティ領域は、どこから理解すれば良いのだろうか。カシオ計算機で約12年間サステナビリティの管理職を務めた「ニック木村」こと木村則昭・オルタナ総研フェローが「今さら聞けないサステナビリティ」の疑問にお答えする。

コンプライナス(法令遵守)の取り組み手順(3)ーーニック木村の「今さら聞けないサステナビリビリティ」(18)はこちらから
【A10-4】今回はコンプライアンスへの具体的な取り組み手順の最後、4回目、内部通報制度の続きをご紹介します。
■内部通報制度(公益通報制度)<続き>
内部通報制度を整備することには下記のようなメリットがあります。
・不正行為を早期に発見し対処することができる
不正行為の発生を未然に防いだり、発生を防げなかった場合でも被害を最小限にとどめることができます。
・企業価値の棄損を防ぐことができる
社内に内部通報制度を整備し周知を徹底していれば、通報者が外部の公的機関などに直接通報してしまい、不正行為が明るみに出ることで、会社の企業価値が著しく棄損されるという、最悪の事態を防げる可能性が高まります。ちなみにこれは会社にとって不都合な情報を隠匿することが目的ではありません。次の3つ目のメリットにつながるからです。