記事のポイント
- アンコンシャス・バイアスに陥らない広告表現のカギは「3つのP」
- 「Presence(存在)」、「Perspective(視点)」、「Personality(個性)」
- 広告に詳しい識者は「常にジェンダー感覚をアップデートする必要がある」
アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)による炎上が後を絶たない。企業はどのような点に気を付けてコミュニケーションを取るべきか。UN Women(国連女性機関)は、広告が社会に持つ影響力を使いジェンダー平等や女性のエンパワーメントを実現していくための「アンステレオタイプアライアンス」を2017年に設立した。その中で広告表現の気を付けるべきポイントとして、「3つのP」を提言している。(オルタナS編集長=池田 真隆)
アンステレオタイプアライアンスが広告表現で注意するポイントとして挙げた、「3つのP」は下記の通り。
Presence(存在):
私たちが実際に住む社会のように男性や女性を含め、多様な人々が描かれているか。
Perspective(視点):
登場人物を性的な対象物として描いていないか。誰かに都合のいいイメージや役割を押しつけていないか。
Personality(個性):
女性ならスリムでか弱い、男性なら背が高く強いなど、ステレオタイプな外見や特徴を押しつけていないか。
アンステレオタイプアライアンスは、世界最大級の広告祭カンヌライオンズにステレオタイプを打破する審査基準を設けるなどの成果を残している。カンヌライオンズは2015年から、性差別や偏見を打ち破る広告表現を表彰する「グラスライオン」部門も設けた。
東急エージェンシーSDGsプランニング・ユニットPOZIに所属するサステナビリティ・プランナーの伊藤恵氏は、「これをすれば絶対に炎上しないという正解はない」とし、常にジェンダー感覚や社会感覚をアップデートし続ける必要があると指摘した。