記事のポイント
- LGBTQの働きやすさに取り組む企業を表彰する「PRIDE指標」2022が発表された
- このうちゴールド認定は318社で、創設以来7年連続で受賞した企業も28社に
- 自治体やNPOとの協働の推進を認定する「レインボー」は14社を選出
企業のジェンダー問題に取り組む任意団体、work with Pride(松中権代表)は11月10日、「PRIDE指標2022」を発表した。最高ランクであるゴールド認定は318社となった。またセクターを超えた協働を推進した企業を選出する「レインボー」認定は14社だった。同時に公表した「work with Pride2022実行委員会参画企業調査」の速報版では、今後の課題として無関心層への更なる啓発や、社内制度の使いやすさの改善などが挙がった。(オルタナ編集部・萩原 哲郎、下村 つぐみ)
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work with Prideは2012年に日本IBMや国際NGO団体、NPOの3者が共同で日本での、働くLGBTQ+当事者の支援についてのセミナーを企画したことでスタートした。
「PRIDE指標」は2016年から実施する企業・団体の職場におけるLGBTQ+などの理解や権利擁護などの取り組みを評価し、認定するものとなっている。
認証にはゴールド、シルバー、ブロンズがある。2021年には、セクターを超えた協働を推進した企業を評価する認定「レインボー」を新設した。
11月10日に発表された「PRIDE指標2022」ではゴールド318社、シルバー51社、ブロンズ29社が発表された。7年連続でゴールドとなった企業は28社で、野村HDや日本IBMらが名を連ねた。
同時に「work with Pride2022実行委員会参画企業調査」を発表した。約2万5000人の社員に「LGBTQ+に関する知識・意識」「自分の職場に対する評価・期待」「LGBTQ+当事者の声」の3つの観点から調査した。
LGBTQ+の人たちが直面する問題や社会の不平等解消への関心度は「とても関心がある」「関心がある」で59.4%となった。また自らを「アライ」だと思う人は9%だったものの、「行動はしていないが、サポートしたい気持ちはある」と答えた人は75%にのぼった。
勤務する企業がLGBTQ+を理解・支援しようとする姿勢を持つことについては、92.2%の人が「賛成」と回答。取り組み別では「企業のトップがD&Iに関するメッセージを発信している」、「D&Iが大切にされている」を挙げた人が7割以上に上った。
一方でLGBTQ+に当事者が社内での制度やサポートを利用しやすい状態か聞いたところ、否定的な回答が目立った。制度を利用した場合、どの範囲まで性自認や性的指向が開示されるかへの不安や、カミングアウトする必要があり「利用しづらい」という声が挙がった。
これらの結果を受け、MSD(東京・千代田)の松岡裕一郎・人事グループディレクターは「全社員にメッセージを届けていくことや施策を行っていくことや制度をつくってから利用してもらうためのアクションの必要性などが課題」と指摘した。