記事のポイント
- 欧米ではネイチャー・ポジティブをカーボンニュートラルと合わせて考える
- 一方、日本ではネイチャー・ポジティブについてはあまり知られていない
- 「生物多様性なくして経済は成り立たない」ということを忘れてはいけない
ネイチャー・ポジティブという言葉をご存じだろうか。欧米では、この言葉をカーボン・ニュートラルとともに取り上げている。どちらも地球環境の改善のための施策を指す。(森林ジャーナリスト・田中 淳夫)
カーボン・ニュートラルは、気候変動対策として二酸化炭素の排出を実質ゼロに抑える意味で使われ、日本でもようやく市民権を得つつある。だが、ネイチャー・ポジティブの方はほとんど知られていないのではないか。
こちらは地球規模で生物多様性を高めることを意味する。自然をこれ以上壊さず、増やす活動を指す。
両者は二本立てだ。欧米では、ネイチャー・ポジティブをカーボン・ニュートラルとともに推進すべき目標としている。