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第2章: ESGの重要イシュー(課題)
2-4: 生物多様性/水資源の保全
■TNFDとGBFという2つの重要要素
生物多様性に対する企業の関心が急速に高まっている。大きな理由は二つある。一つは自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の策定が始まったこと。
もう一つは2022年の12月に開催される生物多様性条約COP15において、2030年に向けた世界全体での生物多様性の目標と計画である生物多様性世界枠組(GBF)が決定されることだ。
TNFDはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の生物多様性版とも言われる。名前からも分かるように、生物多様性や自然に関する事業リスクと機会について企業が報告するためのフレームワークだ。
TCFDではかなり苦労をした企業もあろうが、その生物多様性版ができるのなら早めに準備をしておこうと考える向きも多い。TNFDは2023年9月の公開に向けて急ピッチで策定中だが、まだ未確定の部分も多くある。
しかし、TCFD以上に多くのことについて詳細な分析や開示が求められることは確実で、企業にとっての負担は相当なものだろう。しかも、かなりの専門性がなければ、正しい分析を行ったり、情報を解釈したりすることができない。専門人材の獲得や育成も大きな課題になろう。
「生物多様性世界枠組」(GBF)はより本質的なもので、COP15で策定される予定だ。
*この続きは「サステナ経営検定(サステナブル経営/CSR検定)2級公式テキスト2023年版」に掲載しています。テキストのご購入はこちら