金融緩和に固執する日銀はあるべき姿を取り戻せ

記事のポイント


  1. 政府も日銀も市場での価格形成の動きを、強引な金融緩和で抑え込んできた
  2. 国債も株式も日銀が最大の買い手になり、国債価格の維持・株価全般を引き上げ
  3. 金利の抑え込みに国費を惜しげもなく投入する日銀はあるべき姿を取り戻すべきだ

長いこと、政府も日銀も市場での価格形成、つまり経済現場での自然なる値動きを、力でもって抑え込んできた。とりわけ、この10年間の黒田日銀総裁による異次元の金融緩和政策は強引そのものである。デフレ経済を脱却し、2%インフレにまでもっていくため、金融緩和を徹底させると明言。そのための政策として、国債や株式ETFを買いまくってきた。大量の国債購入で事実上の財政ファイナンスを続け、国の財政運営を支えながらも、金利上昇につながる国債価格の値下がりを防止した。(さわかみホールディングス社長=澤上 篤人)

37兆円もの株式ETF購入で、株価を高値に誘導してきた。国債も株式も日銀が最大の買い手として登場してきたわけだが、どちらも国債価格の維持ないし株価全般の引き上げを目的とした政策の一環としてだ。

資金を無尽蔵に捻出できる日銀ならではの、市場での価格形成ないがしろぶりである。あくまでも、金融緩和政策の堅持に固執している日銀だが、一体どこまで続ける気なのだろう。

金融緩和政策による景気対策の手綱を、ちょっとでも緩めればデフレ経済に後戻りしてしまう。中小企業の経営を窮地に追いやる。したがって、日銀としては断固として金融緩和政策を続ける必要があるということらしい。

景気対策を日銀に押し付けた政府

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sawakami

澤上 篤人(さわかみホールディングス社長)

さわかみホールディングス社長。1973年、ジュネーブ大学付属国際問題研究所国際経済学修士課程履修。1980年─1996年、ピクテジャパン(現・ピクテ投信)代表。1999年に日本初の独立系投資信託会社さわかみ投信設立。

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キーワード: #金融

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