■小林光のエコめがね(27)■
本欄でもすでに報告したとおり、論者は、慶応や東大で学生相手に、そして大丸有のエコッツエリア(東京・千代田)やシティラボ東京(東京・中央)で社会人を相手に、エコビジネスをもっと盛んにしていこう、と説いている。高い意義を強調するだけでなく、どうやったらそれに取り組めるか、商品やビジネスモデル開発の視点、基礎的な技法なども説明している。
その際には、エコビジネスの範囲も説明する。エコビジネスにはいろいろな定義があり得るが、論者は、一番広い定義を採用している。それは、ビジネスの何らかの環境側面での環境負荷を軽減することで収益を増やす、そうしたビジネスが広義の環境ビジネスだ、というものである。
廃棄物処理や大気汚染物質処理装置の製造販売だけが、エコビジネスではないのである。そこを敢えて述べているのは、エコビジネスの種がどこにでもあることに気付いてもらいたいからだ。
このほど、そうした気付きのためのうってつけの商材を一つ見つけた。
それは、典型的なコモデティ商品であるトイレットペーパーである。お勧めは、固有名詞で恐縮だが、日本製紙クレシアの「スコッティ3倍長持ちフラワーパック」だ。同社は、2021年度末をもって従来の長さのトイレットペーパーの生産・販売を取りやめ、22年度から長尺もののみにした。