記事のポイント
- 豪議会は新しく温室効果ガス排出削減法案を可決した
- 石油、ガス、アルミニウム製錬所などに毎年4.9%の排出量削減を義務付ける
- 2030年までのGHG削減目標を28%減から43%減へと大幅に引き上げた
豪議会は3月30日、石油・ガスの排出量に上限を設定し、排出量削減を義務化する新たな温室効果ガス排出削減法案を可決した。石油、ガス、鉱山、アルミニウム製錬所などの温室効果ガス高排出施設215カ所に対し、毎年4.9%の排出量削減を義務付ける。新法案は7月1日から施行される。(北村佳代子)

温室効果ガス排出削減法が施行されることで、今後10年間で約2億トンの炭素排出を抑制できる見通しだ。豪政府によると、同国中の道路から3分の2の車が消えるのに相当する抑制量だという。
豪経済は、資源の輸出への依存が大きく、石油・ガス等産業に対する規制の試みは、厳しい反対やロビー活動にさらされてきた。
豪議会は2022年9月、気候変動法案を可決し、2050年のカーボンニュートラルに向けて、2030年までのGHG削減目標をそれまでの2005年度比28%減から43%減へと大幅に引き上げた。
今回、議会を通過した「セーフガード・メカニズム」改革法案は、この排出削減目標達成に向けた柱となる。
「過去10年間の気候対策の遅れに終止符を打ち、将来のために、気候と経済を守る」と、クリス・ボーエン気候変動・エネルギー大臣はコメントしている。