記事のポイント
- パリ市が「2024年のパリ五輪の使い捨てプラスチックの使用を禁止する」と表明した
- オリンピック競技場内には、マイボトルを持参しないと入場できない
- マラソン競技中の給水所にも、再利用可能なコップが使用される
パリ市のアンヌ・イダルゴ市長は5月27日、「2024年のパリ五輪では、使い捨てプラスチックの使用を禁止する」と表明した。パリ市内のオリンピック競技場内には、マイボトルを持参しないと入場できない。パリ五輪の取り組みで、企業や個人の行動変化が期待される。(オルタナ編集部・北村佳代子)
「パリ五輪(オリンピック・パラリンピック)を、使い捨てプラスチックを使わない初の大会にする」。イダルゴ市長は、「都市のプラ汚染を終わらせるための国際市長フォーラム」(パリ市主催)の記者会見で、オリ・パラでの使い捨てプラスチックの禁止を表明した。
「プラスチック廃棄物による汚染は、グローバル共通の大きな課題だ。毎年、プラスチック廃棄物を誤って摂取したために、14000匹の哺乳類と140万羽の海鳥が死んでいる」(イダルゴ市長)
パリ市内のオリンピック競技場内には、マイボトルを持参しないと入場できない。オリンピックの公式スポンサーを務める米大手飲料メーカーのコカ・コーラ社は、再利用できるガラス瓶や、ソーダファウンテン(飲料供給機)を200カ所以上設置することで対応する。
ソーダファウンテンとは、日本のレストランの「ドリンクバー」などで見られる機械だ。同社はオリンピック後もこうした取り組みを展開していく。マラソン競技中の給水所にも、再利用可能なコップが使用されるという。
国連環境計画(UNEP)は5月に、各国が大きな政策変更を行えば、2040年までにプラスチック汚染を80%削減できるという内容の報告書を発表した。今夏のパリ五輪での決定は、この報告書にも沿った動きだ。
パリ五輪では、大会開催中の温室効果ガス(GHG)の排出量を、2012年のロンドン大会や2016年のリオ大会の水準から半減させる計画だ。なお、無観客開催の東京オリンピックはベンチマークから外した。