ウクライナ企業、がれき回収と再生コンクリートで復興に挑む

記事のポイント


  1. ウクライナ戦争で「がれき」と化した建築物は推定1000万トン以上に
  2. これをリサイクルし「再生コンクリート」として活用するウクライナ企業も
  3. 今後は欧州や日本企業との連携を模索している

ウクライナ戦争で「がれき」と化した建築物は推定1000万~1200万トンに上る。これらをリサイクルし「再生コンクリート」として活用することで再建に挑むウクライナ企業が出てきた。今後は、高度なリサイクル技術やノウハウを持つ欧州や日本企業との連携を模索する。(オルタナ編集部・北村佳代子)

2022年に解体作業と廃棄物回収を実施したザポリージャの現場
(ロシア軍による破壊の建造物ではない)©コパチ・プロフィ社

ウクライナ公共メディア「ススピーリネ」によると、ロシアの侵攻開始から1年経った2023年2月末時点で、ウクライナのインフラ被害総額は20兆円に達した。

15万棟以上の住宅、25000キロ以上の道路が損傷
損傷・破壊された住宅は15万棟を超え、250万人ものウクライナ国民が住む家を失った。交通インフラも、総延長25000キロ超の道路と、344基の橋梁が破壊された。「がれき」と化した建築物は推定1000万~1200万トンに上る。

膨大な量のがれきを前に、建設廃棄物をリサイクルし、再生コンクリートとして活用して復興に挑むウクライナ企業がある。同国東部のドニプロ市にあるコパチ・プロフィ社だ。

同社は建設重機を使って、採石場の開発や建設用掘削、解体作業を行ってきた。ザポリージャにある国内最大級の冶金工場では、冶金廃棄物から有価物を回収する。
しかし今は、24時間体制で、ロシア軍に破壊された建物のがれき処理作業に注力する。

同社ディレクターのドミトリ・ロディオノフ氏は、オルタナの取材に対し、「廃棄物を資源として扱う日本のように、破壊で発生したがれきをサステナブルな形でウクライナの復興に活用する道筋を見出したい」と期待を込めた。

オランダ企業が建設廃棄物を砂利や砂などに加工する技術供与
英国企業からは完全統合型のリサイクルプラント提案も
「日本のように廃棄物を資源として捉える戦略を目指したい」
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北村(宮子)佳代子(オルタナ副編集長)

北村(宮子)佳代子(オルタナ副編集長)

オルタナ副編集長。アヴニール・ワークス株式会社代表取締役。伊藤忠商事、IIJ、ソニー、ソニーフィナンシャルで、主としてIR・広報を経験後、独立。上場企業のアニュアルレポートや統合報告書などで数多くのトップインタビューを執筆。英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー。2023年からオルタナ編集部。

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