記事のポイント
- JCNEの組織ガバナンス評価を活用したNPOなど非営利組織が1000を突破した
- 活動意義や内容を明確化できたことで、助成金申請の活用も広がった
- 社会的信頼性だけでなく、団体内のモチベーション向上につながっている
日本非営利組織評価センター(JCNE、東京・港)の組織ガバナンス評価制度を活用したNPOなどが1000団体を突破した。非営利組織のガバナンスを「見える化」することで、寄付や助成金の受け皿として、社会からの信頼を高めるのがねらいだ。信頼性向上だけでなく、職員やスタッフのモチベーション向上にもつながっている。(オルタナ編集部・下村つぐみ)

JCNEは、2016年10月からNPOなど非営利組織のガバナンス評価を行っている。2種類の評価制度があり、一つは、評価基準25項目に基づき、セルフチェックと提出書類で評価する「ベーシックガバナンスチェック」だ。このほど、ベーシックガバナンスチェックを申請した組織は1000団体を突破した。
JCNEは、情報開示に積極的な透明性の高い団体であることを訴求するため、評価結果の公表を推奨する。現在、365団体がJCNEのサイト内で評価結果を公表した。
組織運営やガバナンスが一定水準以上のレベルの団体を認証するのが「グッドガバナンス認証」だ。2023年7月時点で認証を取得した組織は、72団体に上る。
一般社団や非営利団体は設立しやすい反面、組織運営に課題を抱える場合が多い。立派な公益的事業を展開していても、運営がずさんでは、組織内外から確かな信頼を得ることはできない。
そこで、JCNEは第三者機関として組織を評価し、ホームページで各団体の評価結果や活動情報を開示することでこれをカバーする。自治体や企業などとのマッチングを円滑に進めるため、ホームページ上では、活動内容を紹介し、検索しやすい環境を整える。
評価を受けた団体からは、「モチベーションが向上した」や「インセンティブを高められた」などの声が寄せられ、団体内の組織成長にも寄与しているという。助成金申請の活用も広がっており、社会課題の解決を後押しする。