記事のポイント
- ローソンが社会課題に向き合うため「グリーンローソン」を立ち上げた
- プラスチックや食品ロスの削減など、取り組みの数は20以上に上る
- 郷内正勝専務は「社会的課題の解決が、財務の向上につながる」と語った
「青」のイメージのローソンが「グリーンローソン」を昨年11月、都内にオープンした。プラスチックゴミや食品ロスなど、様々な社会課題の解決の取り組む「実験の場」という位置づけだ。郷内正勝専務執行役員CRO兼CSO補佐は「社会的課題の解決が、財務の向上につながる」と語った。(聞き手・オルタナS編集長=池田真隆、編集部・萩原哲郎)
――昨年11月に都内でオープンした「グリーンローソン」のミッションは何でしょうか。
グリーンローソンは、CO₂削減やプラ削減、食品ロス削減など多々ある社会課題に対して、網羅的に解決策を実証する店舗です。
出店した大塚は幅広い客層が来店します。こういった場所で先進的な施策を展開し得ていく反響は、将来、既存店舗に取り組みを広げていく上での試金石になるでしょう、
――社会課題に向き合う中で、取り組みは多岐にわたります。
グリーンローソンでの取り組みは多岐にわたります。プラ削減や省人化、フードロス、環境配慮など20以上の施策を展開していて、このうち10以上の施策は当社として初の取り組みになります。
そのなかにはプラ削減に向けてのレジ袋・カトラリーの廃止や、食品ロス削減では冷凍弁当やモバイルオーダーなどの取り組みなどがあります。
各家庭で余っている食品を持ち寄って寄付していただくフードドライブの設置や、不要な衣類を回収して必要とする海外への出荷や軍手などにリサイクルするリサイクルウェアの回収も行っています。
こういった施策を導入するには、葛藤もありました。カトラリーの廃止では、利用者の利便性を考慮したときに懸念がありました。しかし、そういったものについても「グリーンローソン」の施策としてご理解いただいています。
多くの人が環境負荷の低減に注目するなかで、コンビニもサステナビリティに重きを置いた店舗のほうが集客できるようになると見込んでいます。
――グリーンローソンは、なぜ都内の大塚で展開したのでしょうか。
大塚という場所は、オフィス街でもなく、幅広い客層が来店します。こういった場所で先進的な施策を展開してどういう反響を得ることができるかは、将来、既存店舗に取り組みを広げていく上での試金石になると考えています。
ただまだ取り組みを評価する段階にはありません。他のエリアでも取り組みを展開し、効果を確かめることが必要です。
――すでに多店舗展開している「ナチュラルローソン」と、「グリーンローソン」との違いは何でしょうか。
ナチュラルローソンは「毎日だから大切に。」をコンセプトに「安心・安全」や「美と健康」をテーマにしています。一方で、グリーンローソンは社会課題の解決を提案することがテーマです。テーマが異なっており、ミッションも異なります。
■社会的価値と業績は表裏一体
■現場の気づきが施策の源泉に
■顧客やスーパーバイザ―、FCオーナーなどの声も吸い上げ
■取締役の半数が女性、専門知だけでなく生活者としての声も