記事のポイント
- RSPOはこのほど、マレーシア・クアラルンプールで年次総会を開いた
- RSPO認証を取得しやすくするため、独立系小規模農家向けの新基準を承認
- 総会では、小規模農家の経済的自立に向けた支援策について議論を交わした
RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)はこのほど、マレーシア・クアラルンプールで年次総会を開いた。総会では、RSPO認証を取得しやすくするため、独立系小規模農家向けの新基準を正式承認した。さらに、小規模農家の経済的自立に向けた支援策について議論を交わした。(オルタナ輪番編集長・吉田広子)

■会員数は6000社・団体以上に拡大
アブラヤシから生産されるパーム油は、生産効率性が高く、現在世界で最も多く消費されている植物油脂だ。インスタント麺やスナック菓子といった食品をはじめ、洗剤や化粧品などに幅広く利用されている。約9割がマレーシアとインドネシアで生産されている。だが、森林破壊や人権侵害の問題が指摘され、国際社会やNGOの目が厳しい。
こうした問題に対応するため、2004年にユニリーバやWWF(世界自然保護基金)などが中心となり、RSPOを設立した。
RSPOは、パーム油の生産・流通・消費にかかわる企業、NGO、金融機関などが参加する国際的なマルチステークホルダー組織だ。環境と人権に配慮したパーム油の生産・調達を促すための認証制度や基準づくりを担っている。
現在、RSPOの会員数は6000社・団体を超えた。認証取得済みのパーム油プランテーション面積は約501万ヘクタール、持続可能なパーム油の推定生産量は約1342万トン(パーム油生産全体の約2割)に達している。
RSPOのジョセフ・D・クルーズCEOは、マレーシアとインドネシアで原生林の年間減少率がそれぞれ64%、65%減少したことを挙げ、「森林保全への取り組みが着実に効果を上げている」と強調した。
(この続きは)
■生産の4割担う小規模農家支援がカギ
■インドネシア副外相「持続可能な農産物の国際協力を」
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