記事のポイント
- なぜ中堅上場企業はサステナ情報開示に取り組まないといけないのか
- 中堅上場企業の経営者と対話する中でその理由は3つに大別できる
- 中堅上場企業への開示義務はまだ先だが、自発的な取り組みが重要に
中堅上場企業がサステナ情報開示に取り組む意味はどこにあるのでしょうか。中堅上場企業の経営者と対話する中でその理由は3つに大別できると考えています。中堅上場企業への開示義務はまだ先ですが、自発的な取り組みが重要です。(トーマツ 非財務・サステナビリティ保証統括部パートナー=小口誠司)

2026年4月、SSBJ基準の適用が始まり、東証プライム市場の大手企業から、サステナビリティ情報の本格的な開示が動き出しました。海外アクティビストによる経営介入や非公開化提案の動きも、各業種に広がっています。
市場から評価される企業と、そうでない企業を分けているのは、業績そのものよりも、自社の価値をどう語ってきたかにあるのではないか――中堅上場企業の経営者と対話するなかで、最近そう感じます。
有価証券報告書は過去の実績を示し、中期経営計画は将来の目標を示します。どちらも重要ですが、それだけでは「なぜこの会社が社会に必要とされ、持続的に価値を生み出せるのか」までは十分に伝わりません。
いま求められているのは、財務と非財務をつなぎ、人材、技術、顧客との信頼といった見えにくい資産が、どう将来の利益につながるのかを説明することです。
先日、群馬大学GX推進プロジェクトの成果報告会で講演する機会をいただきました。その講演を通じて感じたのは、サステナビリティが大企業の制度対応の枠を越え、地域資源をいかに事業化し産業構造の変革につなげるかという実践課題に変わりつつあるということです。
開示とは、その実践を社会に説明し、信頼へと変えていく営みでもあります。中堅上場企業こそ、地域や産業の現場で価値を生む当事者として、自らの言葉で語る意味が大きいはずです。
では、中堅上場企業にとって、いま統合報告書に取り組む意味はどこにあるのでしょうか。
■開示コストではなく「経営投資」と捉えよう
■開示プロセスの策定が経営を磨く
■投資家との対話の「きっかけ」つくれるか

