記事のポイント
- サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が開示基準の解説セミナーを開催した
- 今年3月以降のSSBJ開示基準の改正内容などを説明した
- 温室効果ガス排出の開示に関する改正など7つのポイントを詳報した
サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は7月17日、金融庁が2027年3月期から東京証券取引所のプライム市場に上場する企業に義務付ける、サステナビリティ関連財務のSSBJ基準について解説するセミナーを開催した。今年3月にSSBJ基準で初改正となった「温室効果ガス排出の開示に関する改正」などについて詳しく説明した同セミナーから、オルタナ編集部が注目した7つのポイントを取り上げる。(オルタナ副編集長=京正裕之)

SSBJ事務局は、都内で「SSBJ基準解説セミナー2026」を開催した。同セミナーは7月13日に大阪でも開かれた。
SSBJ基準は2025年3月に公表された。2026年2月には金融庁が、平均時価総額が3兆円以上のプライム上場企業に対して、2027年3月期から同基準の適用を義務化するとした。
SSBJ基準は2026年3月に初めて改正され、同年6月には新たな実務対応基準が示された。こうした動きを受けて、SSBJ事務局は包括的な解説セミナーを開いた。
セミナーの冒頭で、SSBJの川西安喜・委員長兼企業会計基準委員会委員長は、SSBJ基準とは「適用基準」「一般基準」「気候基準」「温対法基準」の4つの基準をまとめたものを指すと説明した。
適用基準とは、サステナビリティ情報を開示する際の基本原則や共通ルールを定めており、「サステナビリティ開示基準の適用」(サステナビリティ開示ユニバーサル基準)と呼ばれる。
一般基準は、気候変動以外のサステナビリティ課題に適用される基準で、人的資本や自然関連などの項目が対象になる。一方、気候基準は気候関連の開示基準を定めたものだ。一般基準と気候基準には、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関して開示すべき4つの要素として、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」が設定されている。これらは「コア・コンテンツ」と呼ばれている。

また、SSBJ事務局は、開示基準を補足する解説として、SSBJハンドブックを作成している。川西氏は、「ハンドブックはSSBJに多く寄せられた質問に答えた内容になっており、開示業務担当者のニーズが高いものだと認識している」と述べた。
ハンドブックが最も作成されている分野は、気候基準の「指標及び目標」に関連した「産業横断的指標等」で25個に上る。ここにはスコープ3の温室効果ガス排出の測定方法などの解説が含まれている。
次いでコア・コンテンツ以外の基本事項に当たる「報告のタイミング」(9個)などとなっている。
SSBJ事務局は、開示担当者から質問が多い事項をハンドブックとして公表している。特に温室効果ガス排出や報告タイミングなど実務上の論点に質問が集中していることから、企業実務への影響が大きい7つのポイントを紹介する。
■サステナ開示は財務諸表と同時に
【ポイント1】連結財務諸表に含まれる子会社の財務情報の報告期間と報告企業のサステナビリティ関連財務開示の報告期間が異なる場合はどうするのか。
【事務局説明】親会社と子会社の財務情報の報告期間が異なる場合、サステナビリティ関連財務開示に取り込まれる親会社及び子会社のサステナビリティ関連財務情報の報告期間は、それぞれの財務情報の報告期間と同じ期間が対象となる。

■SSBJへの準拠を表明するには
■バリューチェーンのリスク開示の範囲とは
■一般基準と気候基準で求められるレジリエンス分析の違い
■スコープ3の温室効果ガス排出の測定方法は
■金融機関のスコープ3、「投資」の開示範囲を見直し
■温対法のSHK制度を用いる方法

