米国に本拠を置く巨大IT企業であるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)に対し、課税や規制強化を求める国際的な声が高まっている。6月8~9日福岡で開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議では、GAFAの租税回避を防ぐデジタル課税新設に向けたOECD(経済協力開発機構)の作業計画を承認した。GAFAの何が問題で、規制のポイントはどこにあるのか。3人の識者に聞いた。(オルタナ編集部)
■問題は「生活世界の植民地化」
神戸大学大学院経営学研究科の國部克彦教授は、「情報を伝達し、検索し、発信するという人間にとってもっとも基本的な生活世界は、すでにGAFAによって植民地化されている」とその問題点を指摘する。
「GAFAが所有する膨大な個人情報へのアクセス権の判断が、利用者からは隔絶された少数の人間に任されている……私たちの個人情報は、GAFAが登場したことで、すでに特定の人間に握られてしまっていると観念すべきである」
では、私たちはその状況にどう対処すべきなのか。國部教授は「GAFAの責任の究極は、ガバナンスに尽きる」と指摘し、こう述べる。
「私たちの生活世界に極めて大きな影響を及ぼしながら、そこに公式に意見を伝えて、議論する制度がないのは、非常に大きなリスクである……GAFAの規制は政府だけに任せるのではなく、政府を含めたステークホルダー全体の関与で進めるしかない」
■暮らし方変える「ムーブメント」