昨春に「カナダ女性財団(トロント市)」が立ち上げたキャンペーン「シグナル・フォー・ヘルプ(助けを求めるハンドサイン)」が、世界に広がってきた。「加害者に知られないよう、第三者に危険を知らせる方法」として考案された。日本でもSNSを中心に拡散しつつある。(寺町幸枝)
このハンドサインが広がったのは、自宅で過ごす時間が増えたことで、ストレスや生活への不安が募り、女性や子どもへの被害が急増しているのが背景だ。
カナダ女性財団のポーレット・シニアCEOは、ウィズコロナ時代を「新しい現実」と呼び、「ジェンダーに基づく暴力に直面している人々を支援するための、新しいコミュニケーション方法が必要とされている」と、このハンドサインの意義を話した。
ハンドサインは声を出さずに助けを求められるため、オンライン通話や外出先で、周囲に知らせやすい。 このハンドサインを知っている第三者が目撃すれば、警察や行政機関、シェルターなどに連絡を取ることで、本人の救出につながることをカナダ助成財団は期待している。