製品になる前のプラスチック素材は、つぶつぶのペレット。その素材に眠っている機能的価値や魅力をユーザーに伝えるのは至難の業だ。三井化学のオープン・ラボラトリー活動「そざいの魅力ラボ(MOLp)」は7月13~17日まで 「MOLpCafe2021(モルカフェ2021)」を開催し、社会課題の解決に向け、素材の魅力を生かしたプロダクトを提案している。(オルタナ副編集長=松田慶子)
そざいの魅力ラボ(MOLp)は、三井化学が創業以来培った素材や技術の「機能的な価値」や「感性的な魅力」を社会に共有しようと集まる、オープン・ラボラトリー。2015年に「感性からカガクを考える」をコンセプトに設立して以来、毎月研究者が集まり、社会と人と素材の関係について議論している。
素材の魅力を生かしたアイデアを、身近なプロダクトとして体験してもらおうと2018年に続き展示会を開催しているが、今回はコロナ禍やプラスチック問題などの社会課題を受け、社会課題に関連した展示が多くなった。
レジ袋をアップサイクルしたパスケースは、大阪の就労継続支援事業所「オーロラ」と協働で、地域で集めたレジ袋などを集めて制作している。レジ袋の原料である高密度ポリエチレンは、縦向きに高い強度を持ち、フィルム状の素材を縦と横に多層で成形したパスケースで強度を高めた。この工法は素材違いではあるが防弾チョッキの同じ成形方法だという。