「ビジネスと人権フォーラム」でジョン・ラギー教授は何を話したか ――下田屋毅の欧州CSR最前線(22)

下田屋毅
サステイナビジョン代表取締役

この国連人権理事会の「ビジネスと人権フォーラム」の議長には、前事務総長特別代表のジョン・ラギー教授が務め、「ビジネスと人権フォーラム」の主要目的として以下が掲げられた。

・    全ての地域からのステークホルダーに対し、「ビジネスと人権」に関する対話をする為の主要な会合場所を提供する。

・「ビジネスと人権に関する指導原則」を世界的に拡散し、実施を促進する。また、効果的で包括的な実施に向けたエンゲージメントを強化する。

・「ビジネスと人権に関する指導原則」の実施にあたって、トレンドと課題、そして模範事例を見つける手助けをする。

この「ビジネスと人権フォーラム」のオープニングスピーチで、ジョン・ラギー教授は、「国連ビジネスと人権に関する指導原則の影響により、多くの企業が、人権方針と人権デューディリジェンスを導入し、不服申立制度(グリーバンス・メカニズム)は著しく増加している」と述べた。

さらに「この指導原則の中心的要素は、OECD多国籍企業ガイドライン、公的輸出信用機関の為のOECD共通アプローチ、IFCサステナビリティ原則と運用基準、ISO26000、ドッド・フランク金融規制改革及び消費者保護法1502条(紛争鉱物)などに統合されてきている」と続けた。

また、ジョン・ラギー教授は、現段階で「能力開発」、「指導原則の幅広い理解」、「国際法のさらなる発展と域外管轄権の問題」の3つの懸念があるとしながらも、これらの懸念に関する疑念を排除していくと述べている。

■ 「中小企業の為の人権入門ガイド」も発行

この「ビジネスと人権フォーラム」は、国連人権理事会の中で、2012年中作業部会の4回にわたるセッションを経て、今回初めて開催されたものだ。今後年1回のイベントとして開催を予定されている。

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下田屋毅
サステイナビジョン代表取締役
欧州と日本のCSR/サステナビリティの架け橋となるべく活動を行っている。サステイナビジョン代表取締役。一般社団法人ASSC(アスク)代表理事。一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会代表理事。英国イーストアングリア大学環境科学修士、ランカスター大学MBA。

2013年1月23日(水)12:28

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