環境の大量破壊「エコサイド」が国際法で裁かれる日――下田屋毅の欧州CSR最前線(24)

下田屋毅
サステイナビジョン代表取締役
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■80カ国が署名すれば「エコサイド法」が成立

国連の定める平和に対する罪の5つ目として「エコサイド」を国際法とすることが公式に提案されている。このエコサイド法を発効するためには、法律は、国際刑事裁判所を支配するローマ規程の改正を必要とし、締約国121か国のうち80か国がこのエコサイド法に同意する署名をすると法改正が成立する。

エコサイド法は既に世界各国からの人々の何千人もの支持を得ており、政治家、環境リーダー、学者、弁護士らも支持、そしていくつかの国は慎重に動向を見守っている。

欧州における「エコサイド」に関する法律は、欧州で市民1万票を得た場合、公式な欧州市民イニシアチブの対象となり、「エコサイド指令」としての草案を欧州議会に提出ができることとなっている。そして最近、欧州議会の議員らが「エコサイド法」の欧州市民イニシアチブを立ち上げている。

■すでにエコサイド法の模擬裁判も

2011年9月、この「エコサイド法模擬裁判」がロンドン最高裁判所で開催された。この模擬裁判では、架空のCEOが、カナダ・アサバスカ採掘地帯でのタールサンド抽出に関するその破壊的な慣行「エコサイド」を引き起こしていることについて裁判にかけられ、有罪とされた。これは、エコサイド法が実際に機能することの実証となるとされる。

かつて、英国政府前首席科学顧問のデビッド・キング卿が、「21世紀は資源戦争の時代となり、人類は水と石油を中心に、残された最後の資源をめぐって争うこととなる」と警告した。

もしエコサイドが罪になれば、乏しい資源をめぐる紛争に終止符を打ち、そして環境に悪影響を及ぼさない持続可能なエネルギー調達方法のみが選択肢として残されることとなるという。

このように「エコサイド」は、今後広く議論され、すぐに国際的な認識を得ることが予想される。「エコサイド法」に関する今後の動向を引き続き見守っていきたい。(在ロンドンCSRコンサルタント・下田屋毅)

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下田屋毅
サステイナビジョン代表取締役
欧州と日本のCSR/サステナビリティの架け橋となるべく活動を行っている。サステイナビジョン代表取締役。一般社団法人ASSC(アスク)代表理事。一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会代表理事。英国イーストアングリア大学環境科学修士、ランカスター大学MBA。

2013年3月22日(金)11:45

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