クラウドファンディングが日本を変える?【CSRフロンティア】

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原田 勝広(明治学院大学教授)

NPOにしろ社会起業家(ソーシャル・アントレプレナー)にしろ、誰もが資金調達には大変な苦労をしている。お金さえ集まれば事業は大抵うまくいく。いや、お金が集まるくらいの魅力的でしっかりした事業なら、きっとうまくいくといったらいいだろうか。この資金調達にからんで、最近クラウドファンディングという言葉をよく聞く。

クラウドといってもクラウドコンピューティング(cloudcomputing)のクラウド(雲)ではない。crowd(群衆)とfunding(資金調達)の合成語である。一言でいえば、不特定多数の人たちからインターネットを通じて小口の資金を集め、まとめて必要な人や組織に提供することだ。共感を呼べばフェイスブックやツイッターですぐ集まるらしい。

手元にある雑誌のページを繰っていたら、日本の縫製業を守るため衣料品のネット販売を始めたライフスタイルアクセントの山田敏夫社長が、自己資金50万円をもとにクラウドファンディングで集めた114万円を足して起業、と語っている。

ソチ冬季五輪への出場を目指す「下町ボブスレー」にかかわった東京都大田区のナイトペイジャーの横田信一社長は、下請けからの脱却を目指して新型キックスケーターを開発、量産化のための資金をクラウドファンディングで集めるつもりだという。私の友人の田辺大さんは、毎年希望者をハーバード社会起業家大会に連れて行っているが、今年は、将来性ある若者の旅費の一部を、クラウドファンディングで集める。そんな内容のメールをもらった。

ノーベル賞の山中教授も寄付集めに大阪マラソンで活用

そういえば、昨秋大阪マラソンを走ったノーベル生理学・医学賞受賞の山中伸弥教授が、がん撲滅や森林再生のNPOへの寄付をクラウドファンディングで呼び掛けていた記憶がある。「辛いマラソンに挑戦するので、私が応援しているこちらのNPOへ寄付してください」と寄付を募るのである。調べてみると、今、この新しい資金集めの手法が大変なブームになっていることが分かった。そもそもクラウドファンディングが動きだしたのは10数年前。2009年が「クラウドファンディング元年」で世界に一気に広がった。日本でも、この前後に登場した。今世界各国にクラウドファンディングが500あるとされるが、そのうち日本は100とみられている。一口にクラウドファンディングといってもいろんなタイプがある。

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2014年9月16日(火)11:43

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