行政のLGBT支援から、法整備へ向けて[村木 真紀]

東京都渋谷区は、2月12日に「(仮称)渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例(案)」についてメディア向けに発表した。これが全国初の同性パートナーの証明になると、日経新聞を始めとする各紙や、TVニュース等で大きく報じられ、すでに英語や仏語の記事も出ている。ツイッターやフェイスブックの私のタイムラインには、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)等の性的マイノリティ(以下LGBT)当事者及び支援者の、驚きと喜びの声が1日途切れることなく続いた。(特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ代表=村木真紀)

条例案の成立は3月の区議会に委ねられるが、これはLGBTの可視化と法による平等の実現に向けた大きな一歩であると思う。2020年の東京オリンピック、パラリンピックの開催地としても、世界的に注目を集めるLGBTの権利について前進があるのは素晴らしい。ご尽力された関係者の皆様に、心からの感謝と熱いエールを送りたい。

私たちは企業や行政向けにLGBTに関する講演やコンサルティングをしているNPO法人であるが、現在、大阪市淀川区の「淀川区LGBT支援事業」を受託している。淀川区は民間出身の榊区長の元、2013年9月に「LGBT支援宣言」を全国の自治体で初めて発表し、大きなニュースになった。2014年7月からは約300万円の予算規模でLGBT支援事業をスタートさせている。

muraki

村木 真紀 (認定NPO法人虹色ダイバーシティ代表理事)

認定NPO法人虹色ダイバーシティ代表(理事長)。社会保険労務士。茨城県生まれ、京都大学総合人間学部卒業。日系メーカー、外資系コンサルティング会社等を経て現職。当事者としての実感とコンサルタントとしての経験を活かして、LGBTに関する調査研究や社会教育を行う。著書「虹色チェンジメーカー」(小学館新書)執筆記事一覧

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